日本共産党

 日米首脳会談について

   2006年6月30日

 日本共産党幹部会委員長 志位 和夫


一、小泉首相とブッシュ米大統領は29日、ワシントンで日米首脳会談をおこない、「新世紀の日米同盟」と題する「共同文書」を発表した。「共同文書」は、両氏が就任して以来、「より広範でより強化された協力関係が同盟の下で達成された」とし、「21世紀の地球規模での協力のための新しい日米同盟」を宣言している。

 これは、03年の首脳会談でうたった「世界の中の日米同盟」を「共同文書」の形で明確に位置づけ、日米軍事同盟体制を文字通り地球規模に拡大・強化するものとして重大である。

一、「共同文書」は、日米が「世界における共通戦略目標」をもち、「テロ」、「大量破壊兵器」への対抗を掲げ、世界のどこでも、先制攻撃の戦争がおこなわれたら、軍事共同をすすめる態勢を確認したことや、米軍と自衛隊が軍事的に一体化する合意を、「過去数十年間で最も重要な再編」と強調し、「米軍のプレゼンスをより持続的かつ効果的にする」諸合意の「完全かつ迅速な実施」をうたっている。

 これは、米国から繰り返し要求されている集団的自衛権行使のために、海外での武力行使を禁じた日本国憲法を改悪する圧力と策動をいっそう強めることになる。

 また、「米軍のプレゼンスをより持続的かつ効果的にする」との合意は、在日米軍基地を21世紀にわたって強化・恒久化する宣言にほかならない。「米軍再編」と基地強化を自治体と住民の声を無視して強権的に強行することは、許せない。

一、「共同文書」は、「成長のための日米経済パートナーシップ」の名でこの5年間にアメリカの要求・介入にもとづいて実施してきた各種の規制緩和、郵政の民営化などを評価した。今後さらにアメリカ企業によるM&A(企業合併・買収)の促進、ホワイトカラーエグゼンプション(残業代不払い)制度の導入、営利企業による医療サービスの拡大などをすすめようとしている。これは、アメリカ型経済の鋳型に合わせた日本経済の改造をさらに進めようとするものであり、日本国民に新たな犠牲と負担を負わせ、日本の経済・社会の矛盾をいっそう深刻にするもので、とうてい容認できない。

一、こうした異常なアメリカ追随外交は、根本からただされるべきである。日本共産党は、基地強化反対、憲法改悪反対など、一致する要求にもとづく共同のたたかいを前進させながら、アメリカ追随政治の根源にある日米安保条約解消をもとめる国民的世論をひろげるために奮闘する。


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