同原案は、政府の交付金事業を環境影響評価(環境アセスメント)の対象事業に追加するほか、事業実施段階前(計画段階)の戦略的環境影響評価調査(SEA)の実施や環境相、住民、知事からの意見聴取の機会を増やすなど、環境保全のうえで一定の改善を盛り込んでいます。一方、原子力発電所を含む発電所をSEAの対象外とし、事業や立地についての複数案の検討を事実上の努力目標にとどめるなど、不十分な内容も含んでいます。
採決に先立ち、日本共産党の市田忠義議員は、原案を補う修正案の趣旨を説明。「環境影響評価のすべての過程で住民、専門家等の参加とその意思の反映を徹底することを明確にした」と強調し、事業実施を前提とした環境への配慮にとどまらず、人類生存の基盤である生物多様性の確保を目的として明記したと述べました。
修正案は、国の基本方針の策定や変更の段階から環境影響評価を行うよう規定するとともに、事業者や「特定の者」の影響を受けない第三者機関を設置することで、公正な環境影響評価の実施を担保。発電所を同評価の対象外とする現行法の特例条項を削除しています。