一、24日に閣議決定された来年度予算案は、国民の暮らしに背を向ける一方で、財界の要求に応えて法人税の5%減税を決定し、証券優遇税制をさらに2年間継続するなど、大企業・大資産家優遇の姿勢を鮮明にした。また、軍事費は引き続き「聖域」とされ、とくに、米軍関連予算は、「思いやり予算」総額の5年間維持、グアムでの基地建設費など増額されている。これは、民主党が、財界・アメリカ優先という基本姿勢で自民党と同じ立場に立っていることを示すものである。
一、来年度予算案は、大企業・大資産家には減税、米軍関連予算を増額する一方で、高齢者や障害者の年金や一人親家庭の児童扶養手当を削減するなど、雇用、中小企業、社会保障などでは、国民の暮らしを応援するものにはなっていない。また、来年度の国債発行額は44兆円を超え、「埋蔵金」など7兆円にのぼる税外収入をつかってなりふりかまわぬ帳尻合わせが行われたが、今後の見通しは全くたっていない。来年度予算案は、民主党政権が、きわめて深刻な行きづまりに陥っていることを示すものとなっている。
一、民主党政権は、この行きづまりを消費税の増税やTPP(環太平洋連携協定)への参加によって突破しようとしているが、これこそ国民の暮らしを破壊し、内需を冷え込ませ、経済も財政も悪化させる危険な道にほかならない。いま求められているのは、財界・アメリカ優先という自民党政治の古い枠組みから抜け出すことであり、そうしてこそ、内政でも外交でも、行きづまりを打開する新たな展望を開くことができる。日本共産党は、暮らしと平和をまもる予算への転換に向けて、国民と力をあわせてたたかうものである。
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