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消費者保護基本法

消費者の権利実現明記

日本共産党が一部改正案大綱


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記者会見する岩佐恵美参院議員(右)と吉井英勝衆院議員=10日、国会内

 日本共産党国会議員団消費者問題委員会(責任者・岩佐恵美参院議員)は十日、消費者保護基本法の一部を改正する法律案大綱を発表しました。岩佐議員と吉井英勝衆院議員が記者会見しました。

 一九六八年制定の消費者保護基本法は、消費者意識の変化、被害の複雑化や件数増加のもとで、消費者の権利の実現を明記した抜本的な改正を求める声が強まっており、政府・与党が「改正」案を発表しています。

 日本共産党の法案大綱は法律の名称を「消費者基本法」とし「消費者の権利の実現の確保」を目的に掲げ、国・自治体・事業者が「消費者の権利の実現を確保する責務」を有することを明記。八項目におよぶ消費者の権利や七項目の事業者の責務を規定し、消費者基本計画の立案などを行う消費者会議への消費者代表の参加や、消費者基本計画を策定し総合的な消費者施策を推進することを定めています。

 岩佐氏は会見で、政府・与党案は、行政や事業者の責任があいまいで、消費者が政策の企画・立案に参加できるしくみもないと指摘しました。日本共産党案の特徴として(1)消費者の権利の実現を明記(2)国、地方自治体に消費者の意見を反映する仕組みを義務付け(3)国、自治体に実効ある施策を実施する責任を明確化(4)事業者の責務の内容を具体的に明記―の四点を強調。「消費者の権利を確保するため事業者に責任を果たさせる。その責任を国や自治体がきちんと負うということが基本になっている」とのべました。


日本共産党の消費者保護基本法の一部を改正する法律案大綱の要点

 日本共産党が十日発表した消費者保護基本法の一部を改正する法律案大綱の要点は次の通りです。

一、消費者の権利の実現を明記

 「消費者の権利の実現の確保」を法律の目的とし、基本理念で消費者の権利を保障する消費者施策の策定・実施を明記するとともに、消費者の権利の内容として八項目を具体的に規定。

二、責務の明確化

 国・地方公共団体、事業者が「消費者の権利の実現を確保する責務」を有することを明記し、事業者の責務として具体的に七項目を規定。

三、消費者参加の整備・拡充

 国・地方公共団体は、消費者政策の企画・立案への消費者・消費者代表の参加など、消費者や消費者団体の意見の反映を保障する仕組みを整備することを明記。基本法では、消費者基本計画の立案などを行う消費者会議への消費者代表の参加を規定。

四、消費者基本計画策定の新設

五、消費者施策の拡充・強化

(1)「危害の防止」基準(現行法)を「安全の確保」基準に拡充強化するとともに、安全を害するおそれのある商品の回収や危害・欠陥情報の収集・公表を規定。

(2)消費者施策に関する情報の積極的な公開を規定。

(3)表示の適正化の規定を広告にも適用。

(4)消費者契約の適正化に関する規定を新設し、不適正勧誘の規制を明示。

(5)苦情・紛争の迅速・公正な解決の体制強化。

(6)消費者の権利実現に必要な知識・技能を修得する機会を保障するための消費者教育の推進。

(7)国民生活センターについて、情報提供・相談助言の強化、商品検査業務の明記、紛争処理機能の付与など、機能を強化。


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