農業委員選挙政策全文(印刷用データ) A4判8ページ ※ダウンロードについて→ |
農家のみなさん。この7月、全国の約3分の2の市町村で農業委員選挙が行われます(沖縄は9月)。地域農業の衰退にどう歯止めをかけ、農業や農地をどうまもるのか、どこでも大きな問題になっているのではないでしょうか。そのなかで、農家が地域住民や消費者と力をあわせ、元気に農業生産に取り組む例も各地に生まれています。今度の選挙を、農家の代表としての農業委員会の役割を強め、地域の農業をまもる力をつける機会にしようではありませんか。
昨年は台風・豪雨があいつぎ、地震災害も加わって各地の農業は大変な目にあいました。加えて、底なしの米価暴落です。野菜の輸入もまたぞろ増えています。「こんな米価ではだれも作らなくなる」「国土と環境はいったいだれが守るのか・・」。みなさんの不安、怒りは当然です。
こんなとき、小泉内閣がやっているのは一体何でしょう。米価支持政策を全面的に廃止したうえ、03年産米の不作を口実に政府手持ちの超古米を、不足分をはるかに上回って放出し、04年産米の暴落を広げました。「農業鎖国は続けられない」と、農産物のいっそうの自由化・関税撤廃を受け入れようとしています。加えて、食料・農業・農村基本計画を見直すとして、価格対策をすべて廃止し、大多数の家族経営を切り捨てる農政「改革」に乗り出しています。
この農政「改革」は、アメリカや財界が求める農産物のいっそうの自由化にどうこたえるかが目的とされ、実際の農家や農村の声はほとんど無視されています。こんな農政「改革」では、農業の崩壊が一挙に広がってしまうことはあきらかではないでしょうか。
その一方でいま、「このまま手をこまねいてはいられない」と、各地で現状を打開する取り組みが始まっています。安全・安心の地場農産物を求める住民・消費者の願いはかつてなく切実です。直売所がどこでも賑わい、産直などで農家が元気になっているのは、その表れです。農業に関心をもつ若者や退職者なども増えています。ここに、地域農業を立て直す条件と力があるのではないでしょうか。いまこそ、農家の思いを結集し、多くの地域住民・消費者との共同を広げながら、農政の転換を迫り、地域農業をまもる取り組みを発展させようではありませんか。
日本共産党は、農業の再建と食料自給率の向上を、国民の生存にかかわる課題と位置づけ、農業つぶしを強める国の農政を大もとから転換するため全力つくします。同時に、地域で農業をまもる可能な手立てを実現するため、農家や地域住民、消費者と力をあわせてがんばります。
農業委員会は、委員の大半が農民の選挙で選ばれ、国や自治体に農民の意見を反映させる役割をもっています。農地の転用や売買・貸借などにたいする許可の権限をもつ行政委員会でもあります。農業をめぐる情勢が厳しいからこそ、実際に農業生産を担っている農家の要望、意見を幅広くつかみ、それにこたえる農政や地域農業づくりこそ大切になっています。いまこそ農業委員会が、その権限や機能を生かし、国政に対する農民の意見反映でも、農地行政や地域農業の立て直しでも、積極的な役割を発揮することが求められます。
ところが政府はいま、農業委員会の活動を農業「構造改革」=大規模化に重点化するよう迫っています。「農業全般にわたる問題を総合的に解決していく民主的な機関」(農水省・農業委員会に関する懇談会報告書)という性格の変質につながるものです。農業委員会への国の予算を削り、市町村合併にともなう農業委員会の再編、委員定数の大幅な削減なども押しつけています。
それだけに、今度の選挙で、政府の農政「改革」に立ち向かい、農家の代表としての役割を発揮し、地域農業や農地を守るために真剣に努力する委員が一人でも増えることが求められています。
日本共産党は、「住民が主人公」「国民の苦難の解決に献身する」立場から、農業委員会の役割を重視し、委員に積極的に立候補し、活動してきました。現在、公認・推薦、議会などからの選任を含めて7百数十人の委員が活動し、農家に役立つ農業委員会にするために奮闘しています。今度の選挙では、次の政策を掲げて奮闘するものです。
いま、農地の荒廃や耕作放棄が大きな問題になっています。それを防ぎ、農地の有効利用をはかるのは、農地法などで権限が与えられている農業委員会の日常的で大事な役割です。
政府や財界も、農地の荒廃を農業「構造改革」の口実の1つにしています。しかし、その大きな原因は、農業そのものが引き合わなくされ、地域における農家の共同が壊されてきたことにあります。この問題を解決するには、政府・財界の押しつける「構造改革」ではなく、地域の条件にあった生産や農地利用を広げることが不可欠です。農地の保全や有効利用に責任をもつ農業委員会がこうした役割を果たせるよう力を注ぎます。
違法な農地取得、無秩序な転用を厳しくチェックする――最近、農外からの農地取得希望が増えています。青年や高齢者が「むら」に定住して、まともに農業をおこなう場合もありますが、投機目的や産業廃棄物の捨て場などにされる例も少なくありません。
農地法は、みずから耕作する(農作業に従事する)ことを目的としない農地取得を禁止し、また、農地の転用を制限しています。そのために、農業委員会には、農地の売買・貸借や転用にたいする許可、違反した場合の告発や原状回復命令などの権限が与えられています。農地の案件審査にあたっては、委員会としてよく現地を調査し、不法あるいは無秩序な農地の取得、転用を許さないよう、厳格なチェックをおこないます。
優良農地を広い面積で転用する大規模開発は、周辺環境に重大な影響を及ぼすものであり、農業委員会としても、地域住民・関係団体とも共同しながら農地や緑の環境を極力まもる立場から積極的に行動します。
農地の有効利用、荒廃農地の復旧に取り組む――高齢化などで増えている耕作放棄地の対策として集落での話し合いによる耕作者のあっせん、作業の受委託など耕作を維持する活動をつよめます。退職高齢者や都市住民などの定住・就農希望者への農地のあっせんもすすめます。
千葉県多古町では、農業委員会のイニシアティブで、荒廃した谷津田の復活、近くの里山を含めて自然公園づくりを住民参加で進めています。愛媛県上島町(旧岩城村)では荒廃農地の復旧に町が10アール7万円を助成し、牛の放牧用に無料で貸し出し、その活用をはかっています。
農地にたいする重税を軽減する――多額の固定資産税、相続税が農地つぶしに拍車をかけています。当面、市街化区域内農地にたいして生産緑地の新設と追加指定を市町村に求めます。標準小作料を上回る固定資産税の減額を要求します。
農業施設用地の固定資産税は農地並みが基本と政府も認めています。地域の実態を調査し、宅地並みにされている施設用地・畜舎などの課税額の是正を求めます。その際、不当に高く評価されている施設用地の造成費を実態に合わせて減額するよう要求します。
産廃や建設残土の投棄を厳しくチェックする――産業廃棄物や建設残土の無秩序な埋め立てが横行し、各地で農地の汚染や周辺環境への悪影響が出ています。千葉県山武町の日本共産党農業委員は、産廃業者が絡んでいる埋め立て案件が出た際、住民にその状況を知らせ、反対運動の盛り上がりのきっかけをつくり、不許可にさせました。また、農地法上の規制に加え、残土埋め立て規制条例を町独自に作らせています。自治体や議会、住民運動などと連携しながら、農地や環境をまもるより厳しい規制を確立し、対策を強めます。
株式会社の農地取得をチェックする――数年前まで認められていなかった株式会社による農地取得が一定の条件の下で認められるようになり、進出も始まっています。昨年からは株式会社一般が構造改革特区で行う賃貸借などリース方式の農地利用も認められました。農業委員会には、そうした農外企業に報告を求め、監視や調査・勧告などの権限が与えられています。それを行使し、農地の投機・荒廃を防ぐため、厳しいチェックをおこないます。それを実効あるものにするためにも、必要な体制や予算の充実を求めます。
荒廃農地の解消や農地の有効利用は、地域農業の振興と一体のものです。農地に関する案件審査だけになっている農業委員会も少なくありませんが、地方自治体などに農業振興策を提案・建議し、実現に力をつくすことは農業委員の重要な仕事です。
各地で農林業を重視した地域づくりの努力がおこなわれています。そこでの経験は、消費者や都市住民、多くの関係団体が共同し、自治体が本気になれば、地域で実現できる施策があることを示しています。そのために農業委員会が積極的なイニシアティブを発揮できるようにします。
地域の実態を踏まえた農業振興計画づくり――代々受け継がれてきた農地をまもり、地域の農業を維持するために、農地や担い手の調整、作付けや販売、加工など、高齢化がすすんでいる地域の実態に合った「村づくり」計画が求められています。
滋賀県長浜市では、農業委員が集落ごとに担い手の現状や農家の意向を把握し、農協や行政とも連携しながら、政府の米「改革」にとらわれない水田利用の計画づくりを進めています。
京都府宮津市では、「村づくり計画」を住民参加で練り上げ、集落での営農組合の設立、そこでの機械導入・更新への補助、非農家の住民も参加した“夏祭り”などの手作りイベントを成功させています。この取り組みが広がって、元気な集落が生まれつつあります。
地域特産物の振興、農家経営に対する援助――特産物への価格保障、農業機械・施設・資材費にたいする支援、小規模土地改良への援助などさまざまな手立てで地域農業を応援する自治体が各地にみられます。そのなかには農業委員会の提案で実現したものも少なくありません。
合併したばかりの兵庫県丹波市の農業委員会は、旧6町時代の農業施策を洗い出し、集落営農でのブロックローテーションなどへの支援、ハウス・果樹栽培施設、有機農業に対する助成などを市当局に要請し、「運営委員会」を中心に市長・担当部局と交渉しています。
多様な家族経営をできるだけ多く維持する――地域農業の担い手を育てることは農業委員会の重要な役割の1つです。群馬県甘楽富岡地区など、近年、きびしい情勢の中でも農業に元気に取り組んでいる地域の多くは、兼業農家や高齢者、女性など中小農家も大事にし、その知恵や力を引き出しています。農業委員会として、専業的な農家とともに、中小農家、兼業農家、集落営農を含めて多様な家族経営ができるだけ多く残れるよう支援します。
千葉県山武町では、農繁期の働き手を確保できなくなっている農家の悩みに答え、日本共産党の農業委員が、行政が間に入って農作業に従事する人を非農家から集める“農業ハローワーク制度”を創設するよう提案しています。
新規就農者、定年帰農者などを支援する――新規就農者が定着するためには、生活費、農地・住宅・施設のあっせん、技術援助などへ地域の手厚い支援が不可欠です。茨城県阿見町では新規就農者に月10万円から15万円の補助金を支給し、愛媛県岩城村では青年後継者に2年間、月10万円支給しています。日本共産党は、国の制度として「青年農業者支援制度」(月15万円、最低3年間程度)を提案していますが、すでにいくつかの自治体で実現している、新規就農者への生活費、農地・住宅・施設などへの支援策を各地に広げます。
新規就農者にたいして農地保有合理化法人の保有(所有)地を長期契約で貸し出し、農地負担を軽減するようにします。
地産地消、直売所、産直などを通じた振興策――学校給食への地場農産物の供給、朝市・直売所、産直などで農家が意欲を取り戻した例が各地にみられます。兵庫県丹波市(旧山南町)では農業委員会の提案で、町内に農産物処理加工施設をつくり、地元の小麦を使ったパン、漬物、工芸品などを生産し、米・野菜などを学校給食にも供給しています。こうした経験を広げ、地域の条件にあわせて具体化をはかります。
都市農業や中山間地域の農業をまもる――都市の農地には、生鮮農産物の生産とともに環境の保全、防災空間など市民生活に欠かせない役割があります。農地・農業の守り手である農業委員会の役割はそれだけに重要です。集出荷施設、温室・ハウスなどを整備し、市民農園・体験農園の取り組みを広げます。東京都内の各市では生産緑地の追加指定を求め、実現しています。
中山間地域の農業は大規模経営中心では守れません。長野県栄村では農家負担の少ない、簡易な「田直し事業」を村独自で行い、農家から喜ばれています。中山間地域の直接支払い制度について、地域の実態に合わせて柔軟な対応を求め、適用を広げます。最近増えている有害鳥獣から農作物を保護する防護柵の設置などにたいする国・自治体の補助を求めます。
台風・地震災害対策の先頭に――新潟中越大震災や台風豪雨災害の救済は、当面の緊急課題です。暮らしの再建とともに、農家にたいしては営農継続を重視して、農地や農業施設の復旧、ハウス資材の確保など、被災農家の要求を聞き、きめ細かな対策を国、自治体に要求します。
地域農業の困難は、アメリカや大企業の利益優先の国のゆがんだ農政に根本的な原因があります。とりわけ最近の事態は、WTO(世界貿易機関)農業協定による農産物輸入の自由化、それを口実にした国内保護の大幅な削減によってもたらされたものです。地域における農業振興の取り組みは、そうした農政の転換と結びついてこそ本格的に実を結びます。小泉内閣の新たな農業つぶしを許さない世論と運動が急務です。農家の願いを国政に届ける農業委員会の役割は、この点で、大きいものがあります。
日本共産党の農業委員は、2000年以降だけでも、各地で、BSE発生による補償と万全の対策、野菜の輸入急増に対するセーフガードの発動などで農業委員会の建議をまとめることに力を注ぎ、農協や自治体、多くの諸団体と共同して政府に迫ってきました。最近は、食料自給率の向上を基本にすえた農政の確立、株式会社の農地取得の解禁反対、04年産米の暴落米価の回復策などの要求で合意を広げてきました。引き続き次の要求を重視してとりくみます。
食料自給率の向上を農政の基本に据えさせる――政府は3月に定める新たな食料・農業・農村基本計画で、2010年まで自給率を45%に引き上げる現行の目標を先送りしようとしています。自給率向上を求める圧倒的多数の国民の願いに反する行為です。自給率向上を基本にすえた農政の確立のためにも、農業委員会からも政府に意見書などを集中するようにします。
小泉「構造改革」に反対し、大多数の農家を支援させる――ごく一部の大規模経営だけで地域農業がまもれないことは農村では常識です。小泉内閣のすすめる農業「構造改革」をやめ、集落営農を含めて大多数の農家を担い手に位置づけ、支援の対象にすることを要求します。
利潤第一の株式会社に農地取得を自由に認めることは、家族経営を基本とする農政のあり方を根本からくつがえすものです。また、当面は農業に利用しても、もうからないとなればすぐ撤退し、他用途への転用を進めるなど農地の大規模な荒廃を招く懸念が大きくなります。農業生産をおこなう場合にも、条件のよいところへの進出が優先され、家族経営のなりたつ条件を狭め、農家の共同で支えられてきた地域農業に重大な困難をもたらしかねません。株式会社一般の農地取得の解禁には強い反対の声をあげます。
米「改革」を中止し、農産物価格の安定策を求める――米価の暴落は、政府が育成するとした大規模稲作農家により大きな打撃を与えるなど、米政策「改革」は初年度で早くも破綻があきらかです。米「改革」の中止を求めるとともに、政府による米価の下支えを要求します。
政府が2007年度から導入を検討する「経営安定対策」は、対象をごく一部に限るうえ、価格暴落を野放しにするものです。しかも、他産業における早期退職手当と同じように、数年間だけの補償でよいという議論まででています。これでは、大規模農家の経営も安定しません。
欧米諸国では農産物の価格政策を維持しています。農業委員会として農家の最も切実な要求である、主な農産物に価格・所得保障を政府に堂々と求めます。
BSE全頭検査の維持、アメリカ産牛肉の輸入解禁に反対する――BSE(牛海綿状脳症)の全頭検査は国産牛肉の安全・安心の確保に不可欠です。アメリカの圧力に屈してやめることには国民の圧倒的多数が反対しています。アメリカのBSE対策のずさんさも次々に明るみに出ています。引き続き全頭検査の維持、アメリカ産牛肉の輸入解禁反対を政府に迫ります。
農産物関税の撤廃・引き下げ反対――日本は世界最大の食糧輸入国です。これ以上の無原則な農産物輸入の自由化・関税撤廃は国の将来を危うくします。WTO・FTA交渉では各国の食料主権を保障する貿易ルールの確立を求めます。米輸入の削減・廃止も強く求めます。
政府は昨年の国会で農業委員会法を「改正」するなど農業委員会の役割を縮小し、制度の解体につながる「改革」をすすめています。「農民の代表」としての農業委員会の役割をまもり、運営の面でも「農民が主人公」を貫くよう努めます。
農業委員会制度の存続、予算の確保――一昨年来、地方分権を口実に検討されている農業委員会への国の交付金の一般財源化、必置規制の廃止は、農業委員会制度の縮小・解体につながります。強く反対するとともに農業委員会運営に必要な予算の確保を政府に求めます。
農業委員会の再編、委員定数の削減への対応――市町村合併に伴って農業委員会の再編・統合・委員定数の大幅引き下げが全国各地で進んでいます。この市町村合併は、地方を丸ごと切り捨てるねらいから政府が強引に押しつけたものです。役場がなくなり、キメ細かな行政サービスが困難になるなど農村社会を衰退させ、農業委員会の活動にも重大な困難をもたらしかねないもので、住民の利益第一の立場からの対応が求められます。
新しい合併市町村をはじめ農地面積が大きい市町村では、地域をわけて複数の農業委員会を設置できる規定を適用するとか、農業委員協力委員制度をつくらせるなどの対応も求められます。秋田県大曲市など1市七町村が合併して発足する大仙市では農業委員会を2つ設置することを決めています。
昨年の法「改正」にともない、農業委員会を必ず置く市町村の農地面積が大幅に引き上げられ、都市部を中心に農業委員会廃止の懸念が高まりました。東京都下の日本共産党の農業委員は他の委員とも連携しながら該当する委員会の存続を求め、多くの自治体首長に約束させています。
女性、青年の委員への選出を重視――農業就業者の6割を占め、食の安全などにも切実な関心を持つ女性の農業委員への進出を重視します。兵庫県丹波市(旧山南町)では前回(02年)の改選で誕生した女性委員3人が学校給食への地場産野菜の導入の力になりました。千葉県船橋市の日本共産党の女性農業委員は千葉県女性農業委員の会の会長として、県内の農家女性の地位向上や要求実現の先頭にたっています。女性とともに青年農業者の委員選出も重視します。
農民の声を運営に反映させるよう努める――集落での座談会や要求アンケートなどを随時おこない、地域農業の実態や農家の要求を委員会運営に反映できるようにします。
農業委員会の活動を農家に知らせることも大事な仕事です。全国の約4分の1の委員会で発行されている農業委員会だよりなど、独自の広報紙を発行するように努めます。農業委員個人としても「農業委員ニュース」、地域民報などで農業委員の活動を報告するようにします。
農地や税金問題で農家の相談に乗る――農業委員は、委員会や各種の会議などで農家の営農や暮らしにかかわる各種の制度を知りうる立場にあります。事務局や関係者の知恵も借りながら、農地の貸借や転用、相続や贈与、融資や補助金の活用、各種の税金などで農家の相談に乗ります。秋田県山本町の農業委員は、農家の負債整理や米「改革」への対応など現行制度の少しでも有利な活用に努め、農家の相談相手として信頼されています。
要求実現のために行動する――意見書や建議で取り上げた要求を実現するために行動する委員会をめざします。そのために、農業委員会として市町村長や行政担当者との協議、議会活動との連携、関係団体との共同など積極的な働きかけ、世論づくりの先頭にたちます。
市町村行政からの自立、事務局の強化、予算の確保――農業委員会が市町村行政から独立することも大事です。自治体首長が会長を兼務しているところは改めさせ、事務局体制の強化を計ります。