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紙 智子さん(日本共産党参議院議員)

労働者派遣法の改正もとめる運動をひろげましょう

 「派遣・契約労働で給料が安く労働時間も長い、社会保険に入れない」「派遣社員として3年10ヶ月、正社員を目指していたが、登用されず、仕事中の怪我から追いつめられ病気に」「仕事がなく内地を転々としもう限界。消費者金融から借りたお金をきれいに終わらせたい」などの声を読んで、引き続き改善されていない現実に苦しんでいることに、胸が痛みます。同時に「派遣労働者の保護法みたいなものをぜひ作ってください」など、現状を変えていくための要請や、期待の声も高くなっていると感じました。

ぜひ知ってほしいのは、こうしたみなさんの声を取り上げ、首都圏ユニオンや労働組合などのみなさんが運動を広げ、国会議員へも働きかけて、労働者派遣法の改正を求める運動が大きく発展していることです。

 2月8日の衆議院予算委員会で、日本共産党の志位和夫委員長が、派遣労働の中でもとりわけ深刻な日雇い派遣の実態を示しながら、福田総理に対して是正を迫る質問をしました。その中で、福田総理の「日雇いという形は好ましいものではない」という答弁、さらに「派遣は、一時的臨時的な場合に限定。常用労働代替えは禁止という原則は変わらない」などの答弁を引き出したことは、まさに今回の相談にあった「派遣で3年以上も働いて正社員になれなかった」という実態の是正を求める根拠になるものです。

キヤノンが違法な働かせ方をさせていることについて、実態調査を総理に約束させたことによって、質問の直後、キャノンは国内のグループ企業19の事業所の製造現場で働く派遣労働者1万2000人のうち半数の6000人を期間工として直接雇用し、その残りを業務請け負いに置き換える方針にしました。一定数は正社員にするとしています。

実はキヤノンは偽装請負を繰り返し、労働局から8回も是正指導を受けていました。国会質問がインターネットなどで大きな反響を呼び、世論の批判に手直しせざるを得なくなったということです。ですから、ぜひあきらめずに、まわりの地区労連などに相談してください。

消費者金融からお金を借りて、払い続け悩んでいる北海道の方には、サラ金被害にあった人たちが集まって作っている「陽は昇る会」に相談をしてみてほしいと思います。札幌市中央区に事務所があり、弁護士も入って、相談活動もやっています。解決への糸口がつかめるかもしれません。 


プロフィール

かみ・ともこ

1955年札幌市生まれ。恵庭南高校、北海道女子短期大学工芸美術科卒業。日本民主青年同盟北海道委員、同中央委員会副委員長。日本共産党中央委員会青年学生部、道常任委員などを歴任。2001年7月参議院議員選挙、比例代表で当選。現在、日本共産党中央委員、参院農林水産委員、予算委員、沖縄北方特別委員会。家族は夫。趣味はスキー、山歩き、絵画、料理。

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