今回の声も「ルールなき日本」の非正規労働者のひどい現状を告発しています。その勇気は尊いものです。ありがとうございます。
就職超氷河期に卒業し、非正規のまま30代になり、賃金は低く生活が困難であるといういわゆる「ロストジェネレーション」のみなさんの深刻な声がいくつかありました。とりわけ「両親の面倒をみることも経済的に困難。将来を考えるにつれ、不安で胸が張り裂けそう。自殺して楽になりたい、と毎日のように考えています。日本共産党様、なんとかこのような酷い現状を改善してください。」という声に、「どうか、生きていて、ともにたたかおう」と叫びたいという気持ちでいっぱいです。
日本共産党は期待に応えすでに08年4月10日、どの党より早く労働者派遣法を「派遣労働者保護法」に抜本改正提案をしています。派遣は、臨時的・一時的業務に限り、常用代替えを禁止し、労働者を守る法にすること、そして登録派遣、とりわけ「日雇い派遣は禁止」という積極的法案を提案しています(日本共産党のホームページのこの「若者と仕事」コーナーに法案全文があります。ご参考まで)。自民・公明も「日雇い派遣」禁止の法案を準備していると報道されていますが、抜本的な改善案にはなっていません。しかし、勇気ある青年のたたかいと共産党の志位さんの国会での2月8日の質問で潮目が変わりつつあります。
人材派遣会社の「時給1000円 だれにでもできる簡単なお仕事」という求人広告をみて登録にいくと「あの仕事はもう昨日で働き手が見つかったんですよね」と複数の派遣会社にいわれ、その後も同じ広告をホームページに載せたままとのことです。「釣り広告」という卑劣な派遣会社の「求人広告」ですね。なんとしてもこんな広告を禁止する法的規制が必要ですね。
有期の「契約社員」として働き何回も更新している場合「期間の定めのない労働契約」と実質的に異ならないとみなされます。その場合は「更新拒否」は「解雇と同じ合理的で相当な理由が必要とされる」という最高裁判決があります。この判決(1974年7月22日東芝臨時工事件判決)などを活用し、「解雇」に泣き寝入りせずたたかうことを期待します。
バスの運転はたしかに通達で16時間拘束となっていますが、その後8時間の休息とあります。タクシーは21時間、その後20時間休息です。残念ながら罰則規定がないのです。バス・タクシーの労働組合の自交総連はこの通達の厳守と、バスの運転手の休息を8時間ではダメ、11時間にせよと要求しています。「若い人は直ぐやめる」のは当然でしょうね、「2時間運転・30分休憩・二人乗務」となっていますが、ワンマンであると交代もできません。そしてスキーバスの大きな事故の原因にもなっています。来年の通常国会で乗客の安全と運転手の健康のために規制を強化する方向で検討がすすんでいますが、労働組合を組織して要求して改善をかちとりたいものですね。
派遣・契約などの非正規労働者への人格否定、パワハラが、多くの青年の心を痛めています。女性差別・障害者差別がまかり通り、「正規」がまともに仕事せず派遣に押し付ける。このような正規・非正規の不団結はほんとうに悲しいことで経営者が喜ぶだけです。皆さんの声にあるようにいくら努力して資格をとっても正規化しない、まともに研修もしない。賃金もあげない・・という差別が広がっています。このままではこの国の未来は大変です。
憲法28条で保障された団結権・団体交渉権・団体行動権(ストを含む)を力に、雇い主に非正規・正規の差別なく均等待遇と非正規の正規化を迫りましょう。憲法25条で人間らしく生きる権利が保障されています。生活保護費の切り下げには「生活と健康を守る会」などと行政に迫り相談し解決してください。
■プロフィール
なかた・すすむ
1937年、京都に生まれる。関西勤労者教育協会講師。京都府立大学卒業後、大阪の中学校教諭を経て、勤労者教育に専念。労働学校、労働組合、民主団体、青年女性団体、公民館、高等学校、各種団体で講演、 政治経済情勢、哲学、「暮らしと経済」「二一世紀どう生きる」「学ぶこと、生きること」「働くこと、生きること」「自分らしく輝いて」「学ぶことは生きる道しるべ」 などをテーマに、分かりやすく語りかける。
主な著書「働くこと生きること」(学習の友社)。「自分らしさの発見」(新日本出版)。 「人間らしく自分らしく」(学習の友社)