みなさんから寄せられたメールを読んで、予想していた以上に深刻な内容が多いと感じました。努力しても仕事がない、生活できないことへの不安と絶望感が、社会への不信へとつながっている。どんなにつらく、苦しいことでしょう。
派遣労働の原則自由化(1999年)、製造業への派遣の解禁(2004年)など、労働法制の規制緩和が、みなさんの苦しみの大もとをつくったことを思うと、政治にたずさわるものとして胸が痛みます。
みなさんには、安易ななぐさめや、表面的な激励は通用しません。
私ができることは2つです。ひとつは、みなさんの悔しさ、つらさを真正面から受けとめ、心に刻んで、国政の場で違法行為を告発し、政府にきちんと是正させることです。
これまでも、「日雇い派遣」で働く若者の叫びや、マツダ、ダイハツなど大企業職場で吹き荒れる「非正規切り」の実態を国会で取り上げてきました。引き続き、労働者をモノのように扱い、平気で使い捨てるやり方がなくなるまで、怒りを込めて告発し続けたいと思います。
もうひとつは、みなさんにたたかうことをよびかけることです。若者に仕事がない、低賃金・不安定雇用で自立できないという現実は、けっして個々人の努力や幸運では解決されません。
昨年来、各地で非正規労働者が「もうがまんならない」と労働組合をつくって立ち上がっています。派遣法違反を事実で示し、労働局に「申告」し、企業に直接雇用を求めるとりくみもひろがっています。そのなかで、違法な解雇を撤回させたり、正社員として採用させるなどの成果が生まれています。なにより、これまで黙っていた人たちが勇気を出して立ち上がったのはすごいことです。
また、仕事や住まいをなくした人たちへの支援も全国で広がり、「年齢が若くても」「住居が決まってなくても」生活保護制度を活用する道が開かれました。
こうしたたたかい、社会的連帯こそ、だれもが人間らしく働き、生きることができる社会をつくるいちばんの力だと思います。
ある若い非正規労働者が「労働組合に入ってたたかって、自分たちにも名前があるんだと示せた」と語ってくれました。人間は、たたかいのなかで誇りと尊厳を取り戻し、世の中を変える主人公として成長するのだと感動しました。
私は、社会のおかしさを誰よりもつかんでいるみなさんが、社会を変えるたたかいに参加されることを心からよびかけます。
ぜひ、お近くの日本共産党の議員や支部の仲間に声をかけてください。私のHPにメールをいただいてもかまいません。
若者を使い捨てにする社会に未来はありません。そんな社会をみんなで変えようではありませんか。
■プロフィール
やました・よしき
1960年 香川県生まれ 現在 大阪府在住
鳥取大学農学部卒業 学生時代はワンゲルで鍛える
大阪パルコープに就職 地域の配送などに携わる
青年運動の中で、核兵器廃絶や平和の取組を企画参加
阪神大震災では、ただちに募金を集め現地に届ける
1995年 参議院議員に初当選 参議院の国対委員長などを歴任
2007年 6年ぶりに参議院に復帰
「日雇派遣」や「派遣切り」など青年の雇用問題を継続的に取り上げている。
趣味は登山、落語 料理 歌
※写真=日本トムソン本社前で直接雇用を勝ち取った青年労働者を激励対話する山下議員