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紙 智子さん(日本共産党参議院議員)

厳しい現実ですが、この状態がいつまでも続くわけではなく、必ず打開できる

  仕事を探しているけど見つからないまま、不安な毎日を送っている、あるいは、仕事には就いているが、低賃金で、休みもなく労働条件も劣悪であるなど、今日の青年失業や雇用の実態を反映した深刻な声に胸が痛みます。私の身近にも正職につけず、アルバイトでつないでいる人や、失業中の人もいるのでとても人ごとは思えません。何とか早くこうした現状を打開するために国会でも取り組んでいかなければと思います。
 二つのことを言いたいと思います。一つは確かに厳しい現実ですが、この状態がいつまでも続くわけではなく、必ず打開できるということです。まじめな人ほど、自分に問題があるからではないかと考えがちです。そんなときは、発想を転換してほしいとと思います。今の状況は、自分に与えられた試練だと考えてください。この状況は、必ず変えられるし、その日のためにも、今できることをやって、自分を鍛えておこうと考えること。
 多くの若者が同じように苦しんでいるのはなぜ?その根本に日本社会のゆがみがあります。人を人として扱うのでなく、利益を生み出す商品や道具と同じように扱う企業の論理に支配され動いている世の中、強いものが生き残り弱いものが淘汰されるのが当たり前という弱肉強食の世界観、儲けのためには、手段を選ばず、誰が犠牲になろうと、環境が破壊されようとかまわないという考え方が、政治のあり方にまで影響を与えている現実があります。このような企業利益優先の政治のゆがみを正さない限り根本的な解決はないと思います。同時に、今すぐに取り上げて解決できることもあります。かかえ込まないで周りの人に相談すること。サービス残業是正では、長年にわたる運動と結んで国会でも何回も質問し、ついに厚生労働省に通達を出させ、未払いを具体的に解決している例からも、取り組みいかんで解決できる問題もたくさんあります。日本共産党は「サービス残業はもちろん残業をなくして新たな雇用を」「財政再建へ踏み出しながら教育、福祉防災などそれぞれの分野で必要な人員を計画的に増やすこと」、「職業訓練など就職までの間の対策」「年金や健康保険などの社会保険への未加入をなくす」など、青年の雇用を守るルール提案をしていますが、これをほんとに実現するためにも、皆さんと連帯し運動を発展させたいと思います。


プロフィール

かみ・ともこ

1955年札幌市生まれ。恵庭南高校、北海道女子短期大学工芸美術科卒業。日本民主青年同盟北海道委員、同中央委員会副委員長。日本共産党中央委員会青年学生部、道常任委員などを歴任。2001年7月参議院議員選挙、比例代表で当選。現在、日本共産党中央委員、参院農林水産委員、予算委員、沖縄北方特別委員会。家族は夫。趣味はスキー、山歩き、絵画、料理。

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