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中田進さん(関西勤労者教育協会講師)

日本では戦後の日本国憲法28条で「団結権」「団体交渉権」「団体行動権」が保障されています

写真 みなさんの声は全国の仲間の叫びです。

「いま正社員になりたくて就職活動してますが話にならないです。もう将来やむをえなくフリーターで生きていこうか迷っています。これからの日本はこういう人たちと安定している人たちに分けられていくんだなと現実は身をもって感じます」

 「入ってわずか25日で解雇。製造ラインに追い付く前に解雇とは。こんなやり方では会社は人を育てられない。弱い立場を利用した嫌がらせとしか言いようがないですね。」

 「寮費で6万円毎月取られますし、やってる仕事の割に時給も安いのに。そしてなにより派遣は正社員と待遇が違いすぎます。自分が社会的に落ちこぼれの様な感じもしてきました。人と接する事に恐怖すら覚えてきました。毎日長時間労働して休みは疲れて寝るだけの繰り返しです。毎日がほんとに苦痛です。全然お金なんかたまりませんし…」

 「ハローワークに行っても、就職求人雑誌やサイトを見ても、どこも派遣や契約、あと、どうみても偽装である請負しか職がなさすぎる。」

 雇用が不安定ということほどつらいことはありませんね。日々の暮らしも不安定、人生の設計もたたない。心も不安定に・・。

 さてどうしたら人間らしく生きていけるのでしょうか。

 労働者はいつもほんとうに弱い立場ですね。相手(資本)はカネも権力ももっていて強い。しかし、労働者の側にもそれに抵抗できるたった一つ強い力があります。それは「数の力」です。世界で最初に労働組合ができたのはイギリスでした。産業革命のなかで労働者はほんとうにひどい状態でした。一日15時間も働かされたり、低賃金・無権利でした。盗みや暴力など個人的な抵抗、集団的な暴動で抵抗していた労働者はやがて集団で仕事を放棄する、つまり「ストライキ」というとっても効果的な戦術を考えつきました。その成功のためには恒常的な組織として労働組合が必要で、団結してこそ「数の力」が発揮できることを学んだのです。やがて法律で労働組合が保障されるようになり、労働条件を一つ一つたたかって改善していきました。

 日本では戦後の日本国憲法28条で「団結権」「団体交渉権」「団体行動権」が保障されています。いま日本で非正規労働者を労働組合に組織することが緊急で重大な課題です。

 しんぶん赤旗3月2日付けに、首都圏青年ユニオンに加入した青年が、労働組合の力で「雇い止め」を撤回させ、年40万円のボーナスを約束通り支払わせた事例が詳しく載っています。そこには「労働組合といってもいろいろ。ほんとうに力になってくれる組合にめぐりあうか」が大切と語られています。確かな労働組合にめぐりあい、加入し、仲間とたたかえば、どんな困難もたいてい解決できます。勇気ある一歩を!

 全労連(全国労働組合総連合)労働相談フリーダイヤル0120−378−060


プロフィール

なかた・すすむ

1937年、京都に生まれる。関西勤労者教育協会講師。京都府立大学卒業後、大阪の中学校教諭を経て、勤労者教育に専念。労働学校、労働組合、民主団体、青年女性団体、公民館、高等学校、各種団体で講演、 政治経済情勢、哲学、「暮らしと経済」「二一世紀どう生きる」「学ぶこと、生きること」「働くこと、生きること」「自分らしく輝いて」「学ぶことは生きる道しるべ」 などをテーマに、分かりやすく語りかける。

主な著書「働くこと生きること」(学習の友社)。「自分らしさの発見」(新日本出版)。 「人間らしく自分らしく」(学習の友社)

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