ルールなき資本主義といわれる日本の企業体質には,確かに,正論が煙たがられる,物を言えば居心地が悪くなるという性向があるのも確かです。しかし,決してそのような企業は,一時的には利益をあげることはできても,長期的に見れば社会的にも評価されなくなります。本来,従業員が,やりがいを感じて生き生きと働ける職場環境をつくることは,企業にとって決して不利益なことではありません。
最近,パートの従業員であった女性が一部上場企業ブックオフの社長に就任したというニュースが話題になっています。彼女は,17年前に,家計を助けるためにパートに応募した女性だそうです。単に,パートだってチャンスがあるという気休めのための話ではありません。会社の労働条件を変えていくには,忍耐と努力が必要であり,また,自分自身が言った分だけの責任を果たそうという自分を変えるという努力とが伴わないといけないということなのです。
そして,どう努力しても環境が変わらない場合には,新しい職場を考えることも必要だと思います。
■プロフィール
はら・かずよし
弁護士、東京法律事務所所属
(略歴)1963年12月 佐賀県有田町生まれ
1989年3月 早稲田大学法学部卒業
1992年 司法試験合格
1995年 東京弁護士会登録〜現在にいたる
(主な事件)
労働事件(労働側)、公害事件、マンション紛争、痴漢えん罪その他刑事事件、交通事故(民事、刑事)、不動産、家事(離婚・相続)、債務整理・破産事件その他民事一般
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