皆さんこんにちは。衆議院で厚生労働委員をしている高橋千鶴子です。
若年者の雇用対策が国会で随分話題になるようになりました。厚労省は、日本版デュアルシステムやら若者自立塾やらジョブカフエというように様々やっていますが、どれも目に見える成果をあげていません。それは、皆さんの声が証明しているように、小手先の支援策をいくら作っても、企業にルールを守らせ社会的責任を果たさせていく、という大本に正面から取り組んでこなかったからです。大企業を応援しフリーターや派遣労働者を増やすしくみをつくってきた国の責任こそが問われます。
私は、6月9日の委員会でメールを一部紹介しながら、この問題をとりあげました。「試用期間3ヶ月の間は、社会保険、厚生年金、雇用保険の加入認めない」という事業所があるが、「試用期間であるかどうかは加入の要件ではない(適用になる)」(局長答弁)と。現場は無法地帯であること。働きながら民間の職業訓練機関で理論を学ぶ制度ができますが、あくまで労働者であり、企業が法の網の目をくぐり青年を無権利状態にしては絶対にだめ、と質しました。川崎大臣は、法令違反の企業には「厳しく対応する」と答えました。
また私は、青年の置かれている状況は、青年の責任ではないとして、「もう未経験では雇ってもらえるところはないとハローワークに言われ、まるで死の宣告」「求人は『経験者のみ』ばかりで、未経験者にとっては『じゃあいつ経験者になればいいの?』」などを読み上げました。フリーター、ニートの採用について企業の側は、「正規従業員としても、非正規従業員としても採用するつもりはない」(41.8%)「正規従業員として採用するつもりはないが、非正規従業員として採用する」(23.3%)とはじめから選別していること。審議会の場では、若年失業者の教育訓練に国が支援することについて「いちばん雇いたくない人のために、なぜ社会はお金を出さなければならないのか」などと発言していることを紹介し、レッテルばりをし、チャンスを奪っているじゃないか!と詰め寄りました。さすがに大臣は、「あたたかい目で雇用する社会になるよう努力する。訓練から正社員に円滑に移行するように」と約束しました。皆さんの声は大臣にも届きました。私ももっと監視の目を光らせていきます。ご一緒にがんばりましょう。
■プロフィール
たかはし・ちづこ
1959年秋田県能代市生まれ。青森市の私立東奥女子高校の英語教師。教職員組合の役員や、民青同盟青森県委員会副委員長としても活躍。
1983年11月日本共産党入党。青森県議会議員を経て2003年より衆議院議員。東北比例ブロック。
日本共産党準中央委員。現在、衆院厚生労働委員、党厚生労働部会長、党食料・食の安全・農林水産対策委員会責任者。
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