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笠井 亮(日本共産党衆議院議員)

写真青年たちの集まる場、組織をつくろう

 今回は、18人メールを読ませていただきましたが、その内の8名の方が30歳代でした。自民・公明内閣は、構造改革・規制緩和が功を奏し、景気は回復、求人も増えたと自画自賛していますが、どのメールもそれが「虚構」であるという告発で、本当に深刻で将来への不安と怒りに満ちたものでした。8月8日付け全国紙の夕刊は、『若者の非正規雇用増加』『広がる格差』『非婚・少子化を促進』などの大きな見出しをつけ、今回のメールに述べられた現実を肯定的に報道しています。

 1995年に日経連(現・日本経団連)は、「新時代の日本的経営」と題する労働戦略を打ち出し、労働者を「長期雇用の正社員」「有期間雇用の契約社員」「短期雇用のパート・アルバイト・派遣」の3種類にわけ、「偽装請負」を含め、低賃金の非正規雇用労働者を大量に生み出す政策を開始。政府は財界のこの政策に協力し、あいついで労働関係法を改悪しました。不況とリストラのなかで、この政策はあっという間に多くの企業に浸透し定着しました。その結果、若者の2人に1人がフリーターなど非正規雇用に追いやられ、その多くが年収200万円以下という低賃金を押しつけられています。いま、顕在化した「格差拡大」と「少子化」は、「非正規雇用の急増」から生まれた一卵性双生児なのです。

 私たち日本共産党は、今年1月の党大会で、貧困と社会的格差のひろがりや少子化の進行などの根底には、非正規雇用と長時間労働があることを明らかにし、人間らしい暮らしの基盤を破壊する攻撃にたいして、社会的反撃をもってこたえるたたかいの先頭にたつことを決めました。通常国会では私も含めて日本共産党議員団は、つぎつぎと非正規雇用問題で政府に論戦を臨みました。また、4月には全国的な職場問題の交流集会を開催し、今後の取り組みを強めることとしました。さらに国会議員団は残業代不払いを合法化する法改悪の学習会の開催や、徳島のトヨタの孫会社の偽装請負問題で調査団を派遣し、厚生労働省にきびしく指導を要求する活動を行っています。財界と政府にたいして社会的に反撃していくために、青年のみなさんがメールの世界だけでなく、実際に顔をつき合わせ、本当に手を取り合うことが必要です。

 日本共産党には、衆・参合わせて18人の国会議員団と3403人の地方議員、そして、全国に郵便局や保育園の数とほぼ同様の2万4千の支部があり、青年支部もあります。青年雇用問題で党といっしょにとりくんでいる日本民主青年同盟という青年の組織もあり、各地で仕事の問題を話しあうネットワークづくりや1人でも誰でも入れる労働組合への紹介なども行っています。ぜひ連絡をとっていただき、青年の皆さんがメールだけでなく、実際に顔をつき合わせて、手を取り合うことが必要です。そのためにはそれぞれの地域に青年の集まる場と組織をつくろうではありませんか。知恵を出し合おうではありませんか。


プロフィール

かさい・あきら

 2001年まで参議院議員を勤め、05年の総選挙で東京比例ブロックから衆議院に選出され、国会では、厚生労働委員会、憲法調査特別委員会などに所属。参議院時代より、小泉首相まで歴代4人の総理を相手に論戦を繰り広げ、テレビでもしばしば実況中継された。日本共産党中央委員・国際局次長として野党外交の現場に臨んで奮闘。「非核の政府を求める会」常任世話人など。

 1952年、大阪生まれ、東大経済学部を卒業後、同農学部でも学ぶ。青年学生運動以来、国際活動で30数カ国を訪問。家族は妻と母。母親は広島で被爆している。趣味 料理、ウォーキング。

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