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紙 智子さん(日本共産党参議院議員)

ファックス一枚で解雇された20〜30歳代の女性たちが

 先の参議院選挙では、みなさんのご支援で、再選を果たすことができました。ありがとうございます。議席減は残念ですが、全国で日本共産党に寄せられた440万票の重みを受け止め、期待にこたえられるようにがんばります。

 今回もみなさんから寄せられた「仕事が見つからない」「正規社員になれない」「給料が安い」「学歴や性別での差別を止めてほしい」などの声は、参議院選挙でも、大きな問題となりました。貧困と格差拡大をどう打開するのか、まさに選挙の争点に浮かび上がりました。選挙後、最低賃金の引き上げの目安が10年ぶりに平均で14円と二ケタ台になりました。労働者の要求からすれば、まだまだ低すぎるというのが現実ですが、それでもこの間、全国的に「パートの時給一人1000円以上」の引き上げを要求し運動した結果と言えるのではないでしょうか。さらに引き上げへの弾みにしていきましょう。

 さて、最近感動したのは、「たたかってこそきりひらける」ということを、事実で示した札幌ローカルユニオン「結い」のノーステイックテレコム分会のとりくみです。携帯電話販売会社の「ノーステイックテレコム」では、前社長が大手ホームセンターのホーマック株インサイダー取引事件を起こし、そのしわ寄せを非正規社員に押し付けようとしました。60人の従業員にファックス一枚で一方的な解雇を通告、しかも退職一時金はわずか5万円だと言うのです。悩んだ女性契約社員(20歳代から30歳代)らは、10人で組合を結成し、団体交渉に取り組み、退職一時金を一部改善させたものの、解雇は撤回できず、交渉が決裂しました。しかし、そこであきらめず、弁護士と相談し、労働審判を行なったのです。第一回審理で、和解に応じさせることができました。解雇を撤回させ、解決金給与七ヶ月分と退職金を支払い、有給休暇の買い上げなどで合意することができました。労働組合などほとんど経験のない、20歳代から30歳代の女性たちでしたが、初めて組合のことを知り地域労組ローカルユニオンの分会をつくって、親組合の力を借りて学びあい、励まし合いながらがんばりました。勇気を出して、言うべきことを、ルールにのっとってきちんと主張することで、状況を変える事ができたのです。こうした例は、各地で生まれています。ローカルユニオンは今、広がりつつあります。あなたも探して相談してみてください。


プロフィール

かみ・ともこ

1955年札幌市生まれ。恵庭南高校、北海道女子短期大学工芸美術科卒業。日本民主青年同盟北海道委員、同中央委員会副委員長。日本共産党中央委員会青年学生部、道常任委員などを歴任。2001年7月参議院議員選挙、比例代表で当選。現在、日本共産党中央委員、参院農林水産委員、予算委員、沖縄北方特別委員会。家族は夫。趣味はスキー、山歩き、絵画、料理。

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