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林萬太郎さん(日本高等学校教職員組合中央執行副委員長)

青年を大事にしない社会に未来はない

写真 ホームページに寄せられたみなさんの声を読みました。どの声にも今の若者がおかれているきびしい状況が現れていて、あらためて青年の雇用と労働の深刻さを実感しました。しかし、私が特に強く感じたのはこのきびしい状況の中でもつぶされずに負けずに真剣に考えている若者がたくさんいるということです。青年の時代を変えていくエネルギーを感じましたし、そこに希望を持ちたいと思います。

 教育関係の質問・意見が2つありました(「声」4・5)ので、少しコメントします。公立学校で産休・病休代替の非常勤講師をしている人から「教育現場ですら使い捨てにされている現実に腹が立つ」という声が寄せられていました。同感です。2003年7月に法律が改正されて「正規教諭を採用せずに、1人分を勤務時間週40時間と計算して非常勤講師数名を採用してもよい(定数くずし)」ことになりました。これ以降、全国的に非常勤講師が急増している状況にあります。全教・日高教では「教育に臨時はない」をスローガンに、臨時教職員の待遇改善と正規化を求めて運動を進めています。臨時教職員のつどいなどもありますので、よければのぞいてみて下さい。

 学習塾で講師をしている人から「子供たちをひたすら競争に駆り立てることが正しいとは思えず、やめました」という声が寄せられていました。たしかに、小学生が夜の9時10時まで塾で勉強し、中学・高校・大学そして就職と勝ち組に残るための競争にあおられている今の教育は異常です。学校でも、教職員が多忙化・長時間過密勤務と管理強化で疲れ果ていて、本来の児童・生徒の発達・成長を援助し励ますのという仕事ができにくくなっています。30人学級の全面実施と教職員の大幅増で、ゆとりある教育と元気な学校を早く作りたいと強く思います。

 その他の声も読ませてもらいました。正規でも非正規でも、青年を「1人で2人分働かせ」、若者を使い捨てにするような風潮まで広がっています。しかし私は、青年を大事にしない社会に未来はないと思います。声を上げる青年とこれを支える大人たちの共同を広げて、この状況を変えていきましょう。なんと言っても次代の主人公は若者ですから。

プロフィール

はやし・まんたろう

日本高等学校教職員組合(日高教)中央執行副委員長。
「高校・大学生、青年の雇用と働くルールを求める連絡会」(略称:就職連絡会)事務局長

1948年大阪生まれ。
1973年立命館大学理工学部卒業、1978年立命館大学文学部卒業。
1967年大阪府に実習助手採用、1973年教諭採用。
1967年より大阪府立高等学校教職員組合の実習助手部・青年部・支部・本部役員を歴任。
2001年度より日高教中央執行委員、2003年度より現職。

「新規学卒者への就職保障の運動と課題」(雑誌「月刊全労連」)、「インターンシップ問題を考える」(雑誌「技術教育研究」)、「今日における高校生の就職保障問題」(雑誌「人権と部落問題」)など、論文多数。

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