2008年5月28日(水)「しんぶん赤旗」
諫早湾
短期開門で漁獲量増
紙議員 データ示し追及
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日本共産党の紙智子議員は二十七日の参院農林水産委員会で、有明海の再生に長崎県・諫早湾の潮受け堤防開門が決定的な役割を果たすことを裏づけるデータを示し、開門を強く求めました。
政府はこれまで、中・長期の開門調査について、農水省のシミュレーション(想定)を根拠に、「アサリの斃死(へいし)が増える」などと反対してきました。
紙氏は、二〇〇二年の短期開門調査以降、長崎県のアサリ漁獲量が一・五倍に増えたと指摘。アサリ漁の拠点となっている小長井漁協では、〇一年に二百二十トンだった漁獲量が、〇三年には五百五十二トンまで増えています。若林正俊農水相は、漁獲量が増えたことを認めながら、「短期開門調査の影響と判断することはできない」と関連を否定しました。
紙氏は、「開門で漁獲が増えたという漁民の実感を裏付けるものだ。(シミュレーションを)開けない理由にするのはおかしい」と批判し、開門を求めました。若林農水相は、「中・長期の開門は予期しない被害が起こる可能性がある」などと答弁しました。
紙氏は、干拓事業で壊滅的な打撃を受けた漁業の現状を示し、「これ以上予期せぬ被害があるのか」と強調。多くの漁業者が借金を抱えて苦しんでいる実態を突き付け、「海を回復して漁ができるように、心の通った温かい決断を」と重ねて開門を迫りました。
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