2008年6月2日(月)「しんぶん赤旗」

食健連が国際フォーラム

地産地消が地球冷やす

食料主権確立へ連帯呼び掛け


 「家族農業と地産地消や産直で、温暖化で危機にある地球を冷やそう」。一日、東京都内で開かれた国際フォーラムでは、多彩な視点から地球温暖化と食料危機の解決方向が話し合われました。


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(写真)パネリストと参加者が意見を交わす国際フォーラム「温暖化・食糧問題と食糧主権」=1日、東京都文京区の全労連会館

 報告したのはノーベル平和賞受賞団体・IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の有力メンバー、西岡秀三氏(国立環境研究所特別客員研究員)。地球温暖化ガス半減を実現できるかどうかの岐路にたっていると強調、大量生産・消費の社会を転換し、食料では地産地消推進をと呼びかけ、「人間が起こした温暖化は人間が抑えることができる」と訴えました。

 インドネシアから来日した国際的な農民組織ビア・カンペシーナ代表のヘンリー・サラギ氏は、英紙が選んだ「地球を救う五十人」の一人。パーム油など食料をバイオ燃料にする多国籍企業が森林を伐採し、輸送のため大量に化石燃料を使う一方で農民と都市生活者に飢餓が広がっていると告発。「持続可能な家族農業に置き換え、自国の食料政策を決める権利・食料主権の運動を広げよう」と訴えました。日本の産直は一つの対案だとのべました。

 日本からは真嶋良孝農民連副会長が報告。穀物投機と価格高騰のなかで穀物商社が膨大な利益をあげていると批判。世界的な米不足のなかで日本に不必要な外国産米を押しつけるWTO(世界貿易機関)について「完全に時代遅れだ。人類への犯罪行為だ」とのべ、食料主権確立への連帯運動を呼びかけました。

 フォーラムは全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)が呼びかけたもの。七月の洞爺湖サミット(主要国首脳会議)にむけた行動です。会場の全労連会館は労組、農民、女性団体、研究者ら約二百三十人でいっぱいに。「農民連との産直が、もうけ第一主義で環境を壊すグローバル化への対案だと確信をもてた」(新婦人の会員)などの声がでました。



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