2008年8月9日(土)「しんぶん赤旗」
米増産が国民の声
農民連・食健連が要請行動
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農民連(農民運動全国連合会)と全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)は八日、米などの食料増産による自給率向上へ農政転換を求めて要請行動をおこないました。
要請に先立ちおこなわれた農水省前での宣伝行動では、米の生産縮小(減反)や生産費用高の実態を訴えました。農民連の白石淳一会長は、燃料や肥料代などの高騰は自身の経営のなかでも年間三百万円の負担増になると紹介。「資材高をつくった投機マネーを規制せよ。食料増産が国民の声だ。現場の声をもとに農水省に対策を求めよう」と呼びかけました。
宮城県で肉牛肥育と水田を経営する男性(53)は、エサ高と価格低迷が続いているといい、「このままでは先が見えない。周りでも離農する人がいる。食の安定供給のため踏み込んだ予算を組んでほしい」と話しました。
約六十人の代表は、米増産と水田減反問題、酪農・畜産危機、資材高対策、地震被害対策に分かれて要請。米問題では、米の需要が増えているにもかかわらず、ペナルティー(罰則)付きで米の収穫量を減らす減反政策がすすめられていることに批判が集中。参加者は、「稲が実るのに刈り取る『青刈り』をする東北地方の例もあるのを知っているのか。ペナルティーでなく、政策誘導すべきだ」と迫り、麦や大豆、飼料稲などで作付けが続けられる価格・所得補償の充実を求めました。
国際的に米の高騰のなかで、ミニマム・アクセス(最低輸入機会の保証)による外国産米の輸入は、飢餓に苦しむ人から米を奪うことになり中止して国産米の増産に転換することが時代の要請だと訴えました。
農水省の担当者は、従来の方針を説明しましたが、自給率向上のための方策の検討は認めました。
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