2008年10月13日(月)「しんぶん赤旗」

IMF委

“異常投機 規制が欠如”

金融危機発信源 米国に批判


 【ワシントン=西村央】国際通貨基金(IMF)・世銀グループの年次総会は十一日、三日間の日程でワシントンで開幕しました。一日目は二十四カ国で構成する国際通貨金融委員会(IMFC)が開かれ、ブラジルなど新興国は金融危機の発信源となった米国を批判し、金融危機が新興国や途上国経済に影響を与えていると指摘しました。

 ブラジルのマンテガ財務相は「われわれの世代はこれほど深刻な金融危機を体験したことがない。嵐の中心は米国と欧州だ」と述べ、「異常な投機、適切な規制と監視の欠如、危機対応体制の弱さが第二次大戦以来最悪の惨禍を招いた」と米国など主要国を厳しく批判しました。

 南アフリカ準備銀行のムボウェニ総裁は、「世界経済の混乱は、主要国の金融機関への規制の弱さが生んだ金融危機によってもたらされている。食料価格の高騰もあり、投資停滞や途上国の国際収支の悪化は、新たに数千万人を貧困ライン以下に追い込むことになる」と述べ、アフリカ諸国への深刻な影響に言及しました。

 中国人民銀行の易綱副総裁は、「米国のサブプライム危機以来、主要国経済は後退方向だが、新興国は成長を保っている。しかし経済後退の跳ね返りが新興国にも及んできている」と指摘しました。

 IMFCがこの日採択した声明も、新興国に金融危機が広がっていることへの懸念を表明し、主要国と新興国との間での政策協調が必要だと提起しました。



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp