2008年10月29日(水)「しんぶん赤旗」
中小融資ないがしろ助長
「金融強化法案」批判
佐々木議員
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金融機関に公的資金を投入するための新金融機能強化法案が二十八日、衆院本会議で審議入りしました。日本共産党の佐々木憲昭議員が質問に立ち、金融危機の背景にある米国の金融自由化と、これを手本に「金融立国」を推進した日本政府の路線の根本的転換を強く迫りました。
その上で、法案にもとづく金融機関への資本注入について「最終的な損失が出たときは国民が税金で負担するしくみだ」「金融機関の経営安定のために公的資金が必要というなら、最終的に銀行業界全体の負担で返済すべきだ」と追及しました。麻生太郎首相は「銀行業界の負担を前提とすることは適当でない」と血税投入を当然視しました。
今回の資本注入が「貸し渋り対策」とされていることについてとりあげた佐々木氏は、「中小企業への貸出目標」を盛り込み、それが未達成のとき、「経営責任」を明確にするという旧法にあった要件が、新法ではなくなっていると指摘。「これでは中小企業への貸し出しをますますないがしろにすることになる」とただしました。
麻生首相は法律の根拠も示さず、「実質的に経営者の責任を求めることはある」などと答えました。
佐々木氏は「いま緊急に求められているのは、銀行の貸し出し姿勢をただすことだ」と強調。とりわけ、信用保証制度が改悪され、「部分保証」になったことで中小企業が融資を受けられない事態をまねいているとし、「ただちに『全額保証』に戻すべきだ」と迫りましたが、麻生首相は改悪前に戻すことを拒否しました。
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