2008年11月15日(土)「しんぶん赤旗」
輸入米入札また強行
農水省 落札は高値水準
農水省は十四日、汚染米事件で約二カ月間停止していた輸入米(ミニマムアクセス米)の入札を再度強行、落札したものの、落札価格は世界的な食料危機を反映し、昨年来の高値水準になりました。
この日は、主食用輸入米(SBS米=売買同時入札米)の二〇〇八年度第一回の入札と、前回の入札(七日実施)で落札ゼロだった加工食品用輸入米(一般米)の〇八年度第三回の入札を同時に実施しました。
SBS米は二万五千トンの政府買い入れ予定数量に対して、二万一千四百六十三トンを落札。政府買い入れ落札価格(加重平均)はトン当たり十六万五千九百十七円で、農水省が公表している〇一年八月以来のデータでは過去最高になりました。
一般米は五万一千トンの政府買い入れ予定数量に対して全量を落札。落札価格はトン当たり七万八千三百九十四円で、過去最高値の同十万二千三百六十一円(今年九月五日落札分)には及ばなかったものの、昨年来の七万円、八万円台の高値水準になりました。
今回のSBS米の落札数量を国別にみると、中国産が一万三千三十四トンで一番多く、続いて米国産七千七百六十三トン、タイ産六百六十六トン。食料不足で輸出制限をしている中国から、日本政府が商社を使って高値でコメを買い付け、世界的な食料危機をいっそう加速させることが懸念されます。
SBS(売買同時入札) 主食用の輸入米の入札の仕方(随意契約)。入札資格のある輸入商社(現在二十九社が登録)と国内コメ業者が連名で入札します。
政府が輸入米を買い入れる先の輸入商社と、政府が輸入米を売り渡す先の国内コメ業者が、政府主催の入札に同時に参加することから、この名前があります。
政府の買い入れ予定価格を下回り、かつ、政府の売り渡し予定価格を上回る入札のうち、政府の収入になる売買差額(マークアップ=一キロあたり二百九十二円が上限)が大きいものから順に落札されます。
一方、加工食品用の輸入米の入札は、政府による指名競争入札。入札資格のある輸入商社(現在十六社)が参加。政府の買い入れ予定価格を下回り、かつ、安いものから順に落札されます。
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