2008年12月1日(月)「しんぶん赤旗」
政治に雇用守る責任
内需拡大にも貢献
NHK日曜討論 市田書記局長が主張
日本共産党の市田忠義書記局長は、各党幹事長が出席した十一月三十日のNHK「日曜討論」で、厚生労働省の調査でも非正規雇用の解雇・雇い止めが三万人を超えるなどの雇用の悪化について「政治には果たすべき三つの責任がある」と主張しました。(発言の詳報)
一つは、大企業が社会的責任を果たすよう、政府が強力な指導・監督をすることです。
市田氏は、七千八百人の首切りを進めるトヨタグループが年間六千億円の利益を見込んでいることをあげ「大企業には十分体力がある」と指摘。奥田碩前会長が、以前は「経営者よ、首切りするなら切腹せよ」といっていたことを紹介し、「大企業には雇用を守る責任がある。政府が指導・監督することをただちにやるべきだ」と主張しました。
二つ目に、雇用保険の積立金六兆円を活用して、派遣会社の寮を追い出された人の住宅と生活の緊急資金にするなど、失業者の生活と再就職を保障することを提案しました。
三つ目は、労働者派遣法の抜本的改正です。「働く人の三分の一にまで非正規労働者を広げたのは、派遣労働を、企業の要望に応じて原則自由化した一九九九年の派遣法の改悪だ」と指摘。自民、公明、民主、社民の各党が賛成したことを挙げながら「そういう政治の責任からしてもきちんと対策をとるべきだ」と述べました。
北側一雄・公明党幹事長は労働法制の見直しとともに「雇用を維持していくのは企業の責任」と発言。細田博之・自民党幹事長は雇用問題について五日までに案をまとめると述べました。
市田氏は「内需拡大という点でも一番の問題は雇用を守ることだ」と強調。希望する非正社員の正社員化、サービス残業の根絶、有給休暇の完全取得による民間消費の拡大が国内生産に波及し国内生産額が二十四・三兆円増えるという「労働運動総合研究所」の試算を示しました。
そのために派遣社員・期間社員の雇い止めをなくしながら、労働法制の規制緩和から規制強化の方へ向かうべきだと主張。「“ばくち経済”のツケをなんの責任もない労働者に負わせるというやり方は本当に間違っている。日本経済のまともな発展という点からも雇用問題を重視し政治の責任を果たすべきだ」と力説しました。