2009年1月16日(金)「しんぶん赤旗」
国内株売買 外国人63%
過去最高 投機顕著
二〇〇八年の国内株式市場の株売買代金に占める外国人投資家の比率が63%と過去最高になったことが、東京証券取引所の調査(十四日発表)で分かりました。
「投資部門別売買状況」(東京、大阪、名古屋の三市場合計)によると、〇八年の日本株の売買代金は七百八十三兆二千四百七十六億円(証券会社の自己売買を除く)で、このうち、外国人投資家の取引は四百九十五兆九千六百四十三億円。占有率は63・3%に上り、〇七年(60・9%)に続いて過去最高となりました。
このうち、東証一部をみても、外国人投資家の売買比率(代金ベース)は、「売り」が65・7%、「買い」が64・0%で、過去最高の水準となっています。
〇八年は米証券大手リーマン・ブラザーズが倒産した九月以降、ヘッジファンド(投機的基金)などを含む海外の機関投資家が日本株を売って現金に換える動きが加速し、株安の元凶となりました。外国人は一年間で三兆七千八十五億円(三市場合計)と大量に売り越しました。売った額が買った額を上回る外国人の売り越しはIT(情報技術)バブル崩壊の二〇〇〇年以来、八年ぶりです。
株式保有に占める外国人投資家の比率も増加。東証の調査(〇八年六月、東証など国内五市場)によると、〇七年度は27・6%。「金融ビッグバン」と呼ばれる金融の規制緩和が本格化する一九九九年度に外国人投資家の比率がはじめて個人投資家を上回りました。外国人投資家の比率は〇三年に二割を超え、三割に迫る勢い。一方、個人投資家は二割を切っています。
株保有三割弱の外国人投資家が売買では六割を超えるということは、いかに短期の売り買いを繰り返す投機的な動きをしているかを示しています。外国人投資家の大半をヘッジファンドが占めるといわれています。企業を長期に育てる投資ではなく、短期的利益を求める投機の強まりが、雇用より株主配当を優先する企業のゆがみを誘発しています。
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