2010年2月18日(木)「しんぶん赤旗」

政治転換へ予算組み替えを

“政治変えたい”―三つの要の問題で

志位委員長が鳩山首相に提起


 日本共産党の志位和夫委員長は17日、国会内で鳩山由紀夫首相と会談し、2010年度予算案に対して「旧来の悪政の根本にメスを入れ、政治の転換にふみだす予算に」と求める日本共産党の組み替え要求を提起し、政府としての検討を申し入れました。会談には、日本共産党から市田忠義書記局長、穀田恵二国対委員長が、政府からは松野頼久官房副長官が同席しました。(「組み替え要求提案」全文>)


町工場の機械リース代支援 首相「検討したい」

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(写真)会談する志位和夫委員長(左)と鳩山由紀夫首相=17日、国会内

 志位氏は会談で、旧来の自公政権が「構造改革」の名ですすめてきた「強い企業をもっと強くすれば、経済が成長し、暮らしもよくなる」という路線が立ち行かなくなったもとで、どんな転換が必要なのかを提起したいと語り、「いまの政府の予算案では、『政治を変えてほしい』と国民が願っている肝心要の点で問題点がある」と指摘しました。

 そのうえで(1)後期高齢者医療制度、医療費窓口負担増など、自公政権の社会保障費削減路線がつくった「傷跡」をすみやかに是正する(2)経済危機からくらしを守るため、雇用と営業の安定、地域経済の活性化をはかる(3)軍事費と大企業・大資産家優遇税制という「二つの聖域」にメスを入れ、財源を確保する――の3点を提起しました。

 このなかで、志位氏が「大企業の過度な内部留保を国民の暮らしに還元させる政策が必要だ」と求めたのに対し、首相は、「大企業の内部留保を還元させる具体的な方法を検討してみたい」と発言。志位氏が「雇用のルールや中小企業の公正な取引のルールをつくることが大事だ」と指摘したのに対し、首相は「大企業の内部留保に適正な課税を行うことも検討してみたい」とのべました。

 また、志位氏は中小企業の問題で、首相が8日の志位氏の質問に対して「町工場は日本の宝――この灯を消してはならない」と語っていたことにふれ、「町工場の機械のリース代や家賃などへの直接の固定費補助に踏み切ってほしい」と要求。首相は「機械のリース代については、融資と同じ扱いにして、利子分だけですむようしていく扱いも検討してみたい」と表明しました。

 課税の問題では、志位氏が、所得税の最高税率引き上げと証券優遇税制の見直しはすぐにでもできるはずだと提起。「格差拡大に追い打ちをかける税制にするのか。格差を是正する税制にするのかが問われている」と富裕層優遇税制の見直しを迫ると、首相は「これは民主党の中でも、税調で検討できるのではないか、検討課題にする」と発言しました。

 志位氏は会談後の会見で、「私たちは今の政権とは根本的に立場を異にしており、政策の抜本的転換を求めていくが、同時に国民の経済的困難が深刻なもとで一歩でも二歩でも前向きに政治を動かす働きをしたい」と語りました。


●提案の骨子

〈1〉自公政権の社会保障費削減路線がつくった「傷跡」をすみやかに是正する

 改悪された医療・介護・福祉制度を元に戻し、拡充への第一歩を踏みだす

 総合的な子育て支援策、教育条件拡充を実行する

〈2〉経済危機からくらしを守るため、雇用と営業の安定、地域経済の活性化をはかる

 大企業の内部留保と利益を社会に還元させ、雇用と中小企業の経営の安定をはかる

 農林漁業、地域経済の活性化、環境対策などの予算を拡充する

〈3〉「二つの聖域」にメスを入れ、財源を確保する

 「米軍再編」と自衛隊の海外派兵体制づくりのための予算を抜本的に見直す

 大企業・大資産家優遇減税を改める

 あらゆる分野の無駄にメスを入れる

 消費税増税へのレールを敷く動きに反対する



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