日本共産党

2003年4月19日(土)「しんぶん赤旗」

危ない! 有事法制(4)

戦争協力、拒めば処罰も

内心の自由まで奪う


制限される国民の自由と権利

■人権全般
 「国民の自由と権利…に制限が加えられる」(武力攻撃事態法案第3条)
■集会、報道の自由
 「あくまで公共の福祉に反しない限りだ」(福田康夫官房長官)
■思想、良心、信仰の自由
 「外部的行為がなされた場合、制約を受ける」(政府見解)
■財産権
 物資、土地、家屋のとりあげ(自衛隊法第103条など)。
■知る権利
 「国家的な秘匿は考えていかなければならない。罰則も総合的に考える」(福田官房長官)
■その他
 業務従事命令で、医療、土木建築、輸送の業者を動員(自衛隊法103条)

 「アメリカの無法な先制攻撃で起こった戦争に協力するなんてイヤだ」。そういって、米国が仕掛けた戦争で自衛隊が使う物資の保管命令を拒否したら、逮捕されて懲役刑に…。

 有事法案は、こんなことまでできることになっています。

 自衛隊が必要だという物資を国民から取り上げるために保管を命令でき、これに従わなければ、六カ月以下の懲役か三十万円以下の罰金を科されるのです。

 それだけではありません。国民から土地や家屋を取り上げて自衛隊に差し出すための立ち入り検査を拒否すれば、二十万円以下の罰金が科されます。

 政府は、「武力攻撃事態への対処」は「高度の公共の福祉」だと強調。「思想・信条の自由」や「信仰の自由」も、その「思想、信仰等に基づき、…外部的な行為がなされた場合」には、「公共の福祉による制約を受けることはあり得る」としています。(昨年七月に示した見解)

 「戦争には協力したくない」と心の中でいくら思っても自由だが、それが行動になって表れ、戦争の遂行という「公共の福祉」に反すれば、処罰もできるというのです。

 しかし、戦争の放棄をうたう憲法のもとで、戦争遂行が「公共の福祉」であるはずがありません。こんな戦争を口実に、憲法が保障している「内心の自由」まで奪ってしまうのが、有事法案なのです。

 (つづく)


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