2003年4月22日(火)「しんぶん赤旗」
有事法案は、自治体を国の下請け機関にしようとしています。
法案は、国が「武力攻撃事態への対処に関する主要な役割を担い」、自治体は「国の方針に基づく措置の実施…を担う」とし、それが自治体の「責務」だとしています。
つまり、自治体は国の方針に黙って従うことが義務付けられるのです。
実際、自治体は国から膨大な戦争業務を強制されます。
まず、米軍や自衛隊への「物品、施設、役務の提供」です。米国のアジアでの戦争に日本が協力するガイドライン(日米軍事協力の指針、一九九七年)では、米軍に自治体管理の空港や港湾、公営バス、救急車を提供し、公立病院を利用させることまで求めています。
自衛隊のためには、病院・診療所などの管理、市民の土地・家屋の取り上げ、物資の保管命令・収用、医療・土木建築工事・輸送関係者への業務従事命令などをおこなうことになっています。
「国民保護法制」でも、土地・家屋の取り上げ、医療関係者への医療提供の指示、物資の保管命令・収用などをおこなうことが求められます。
市民の暮らしを脅かし、財産権など基本的人権を奪う仕事を自治体がやらされるのです。
これまでに六百を超える地方議会が有事法制に反対・慎重審議を求める意見書を上げています。長野県知事など自治体の首長からも疑問の声が上がっています。(つづく)