日本共産党

2003年4月26日(土)「しんぶん赤旗」

危ない! 有事法制(9)

もともとアメリカ発

先制攻撃の危険、現実に


 有事法制はもともと米国が要求したものです。

 日米両政府は一九九六年、「安保共同宣言」で米国がアジア太平洋地域で介入戦争を起こしたときに日米が共同の軍事行動をとることで合意。九七年の日米軍事協力の指針(ガイドライン)、九九年の周辺事態法など「ガイドライン関連法」制定と、それを具体化してきました。

 それでも、これらでは自衛隊が米軍と一緒に武力行使ができない、自治体や国民の強制動員ができないという制約がありました。そこでこの制約を解消するため、米国が要求してきたのが有事法制です。

 ところが、自民、公明などの有事法制推進勢力は、“北朝鮮の脅威があるから有事法制は必要だ”という議論を持ち出しています。

 しかし、日本と北朝鮮が昨年九月に結んだ「日朝平壌宣言」は、核やミサイルなど安全保障上の問題も「対話」で「解決を図る」とし、「互いの安全を脅かす行動をとらないこと」を確認しています。この方向で、問題の平和解決の道を追求すべきです。

 韓国、中国、ロシアなど周辺の国々も問題の平和解決を望んでいます。

 ブッシュ米政権は北朝鮮を「悪の枢軸」と呼び、先制攻撃も辞さない戦略をとっています。これに加担する有事法制は、日朝両国間の緊張をいっそう拡大し、米国の先制攻撃の戦争を現実のものにしかねません。それがどんな結果になるのかは、イラク戦争を見れば明らかです。

 (つづく)


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