2003年5月4日(日)「しんぶん赤旗」
有事三法案強行の危険が切迫したなかで迎えた憲法記念日の三日、「憲法九条を守れ」「アメリカの無法戦争に加担する有事三法案は廃案に」と、全国各地で集会やパレードが行われました。
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東京・日比谷公会堂では「生かそう憲法、高くかかげよう第9条 2003年5・3憲法集会」が開かれました。「有事法案は戦争する国にし、憲法を改悪する道。許せなくて」(東京・世田谷区の中嶋裕子さん=47歳)、「有事法制は、かえって近隣諸国に脅威を与える」(神奈川・藤沢市の郵便局員=29歳)などと語りながら二千五百人が参加。「戦争反対」「9条を守れ」と書いたゼッケンやTシャツ姿の人などでいっぱいになり、あふれた人は場外に設けた大型スクリーンに見入りました。
各界から高校生や宗教者、弁護士らが発言。「九条は人類史上たぐいまれな崇高な理想。仏の教えにかなっている」(真宗大谷派僧侶の石川勇吉さん)、「南北朝鮮と日本に親類をもつ私にとって憲法は命綱。一緒に守ろう」(エッセイストの朴慶南さん)と語りました。
翻訳家の池田香代子さん、沖縄の前読谷村長の山内徳信さん、日本共産党の志位和夫委員長、社民党の土井たか子党首がスピーチしました。
志位委員長は、無法なイラク戦争をめぐってしめされた国連と世界世論の力を確信に平和のルールをとりもどそう、米軍の先制攻撃に参戦するための有事法案を廃案にしようと呼びかけ、さらに北朝鮮問題があるから有事法案の成立を急げという議論の誤りを厳しく指摘しました。
土井党首は、「小泉内閣ほど憲法をないがしろにし、顧みない内閣は見たことがない」とのべ、「有事法案は廃案しかない」と訴えました。
「憲法は次の世代に『このような世界に生きてほしい』と死者の思いが贈ってくれたもの」(池田さん)、「世界の法典の頂点に立つのが(日本の)平和憲法だと確信する。二十一世紀の進路を指し示す世界の羅針盤だ」(山内さん)と、それぞれの立場から力を込めてよびかけました。
日本YWCAの俣野尚子さんが開会あいさつ。法政大学の永井憲一名誉教授が教育基本法の改悪問題で特別発言しました。
集会は憲法会議、女性の憲法年連絡会、許すな!憲法改悪・市民連絡会、キリスト者平和ネットなどの八団体を中心に実行委員会をつくって開いたもの。参加者は集会後、銀座までパレードしました。
集会には日本共産党の緒方靖夫、小池晃の両参院議員も出席しました。
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