2003年10月22日(水)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の不破哲三議長は二十一日夜、岡山市内での演説会で、消費税大増税、憲法改悪で競い合う「自民・民主対決」の裏に、財界の政治支配の計画があることを、当事者の発言や提言などにふれて解き明かしました。
不破議長は、消費税大増税、憲法改悪という二つの大悪政で「財界が旗振り役だというところに特別の大事な問題がある」とのべ、経団連と日経連が合同して生まれた日本経団連が巨大な財界司令部となって政治の方向を打ち出している動きを跡付けました。
日本経団連が消費税の大増税を計画し、これに賛同することを政治献金の基準に定めると、真っ先に民主党が「政権公約」に年金財源として消費税を充てると明記し、自民党も競うように「将来の消費税率引き上げについても国民的論議を行い、結論を得る」と盛り込みました。
憲法問題では自民党が先手で、小泉首相が結党五十周年までに党改憲案をまとめるように指示しました。つづいて、民主党は、経済同友会に注文をつけられ、最終的な「政権公約」に「『創憲』」という言葉で憲法改定の立場を明確にしました。
不破氏は、野党第一党の民主党が、財界が旗を振っている消費税の増税についても、アメリカが求めている憲法改定についても、自民党とともに賛成の立場を打ち出したことは、「日本の政治にとってほんとうに怖いことだ」と警告。
「なぜこんなことになったのか」と問いかけた不破氏は、「そこには日本の政治を握りなおそうとする財界の戦略がある」とのべ、その内容は、アメリカの共和党、民主党の体制のように、財界が後ろだてになった「二大政党制」に日本の政界を「改造」するところにあると強調しました。その「政界改造」の大計画は、経済同友会が昨年十月に発表した「首相のリーダーシップの確立と政策本位の政治の実現を求めて」と題する提言に示されています。
不破氏は、この提言には、“日本には政党の数が多すぎる”として、(1)選挙は政権党と野党第一党が対決する「マニフェスト選挙」に切りかえ、(2)選挙制度も民意を反映する比例代表をなくし、小選挙区制だけにする−という二つの柱があり、これに飛びついたのが民主党だと指摘。民主・自由合併そのものも、財界の信用をえられる「二大政党制」というシナリオにそったものであることを、当事者の言明から明らかにしました。
そのうえで、民主党が、衆院比例代表をなくす提案まで受け入れ、「政権公約」に八十議席削減を盛り込み、国会でもとりあげて、小泉首相に賛成をいわせるまでになっている実態を厳しく批判。「こんなあからさまな党略はない。二大政党だと称して、自分たち以外の野党を国会から追い出してしまう。これは文字どおり、民意を切り捨てる暴挙だ」とのべ、「政界の『改造』とあわせて、憲法改悪、消費税大増税をやってのける、そこまで財界が政治に介入し始めた。こんなことは国民の力で絶対に打ち破ろうではありませんか」と訴え、大きな拍手に包まれました。
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