2003年10月28日(火)「しんぶん赤旗」
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日本共産党は、世界の平和と進歩のため、各国の政府、党、個人と幅広く交流し、世界政治に直接働きかける野党外交をすすめてきました。とくに、イラク戦争の問題では、世界政治の上で反対の世論を広げるために力をつくしてきました。
米ブッシュ政権が昨年初めからイラク攻撃の構えを強めてきたなかで、不破議長は、昨年八月、中国を訪問。平和のルールである国連憲章を破って勝手に戦争を起こすことは誰であろうと許されない、この立場でアメリカのイラク攻撃に反対しよう――こういう話を積み重ね、江沢民総書記・国家主席(当時)との首脳会談で意見の一致が明確になりました。中国がイラク戦争反対という態度を公に表明したのは、これが最初でした。
昨年十月、緒方靖夫国際局長らが中東諸国を、同十二月、志位和夫委員長が南アジア三カ国を訪問しました。いずれの国でも、国連憲章にもとづく平和のルールを守る立場からアメリカのイラク攻撃に反対するという点で一致しました。
ブッシュ政権が戦争を始める前に、国際政治の上でイラク戦争反対の世論が多数となり、世界の諸国民による戦争反対の活動も大きく盛り上がるなど、かつてない事態が生まれました。こういう状況をつくるうえで、日本共産党の野党外交は力を発揮しました。
一九九九年の不破哲三委員長(当時)の東南アジア歴訪に始まって、日本共産党のアジア、イスラム諸国との交流が広がりました。
今年マレーシアで三つの国際会議が開かれました。百十六カ国が集まった非同盟諸国会議(二月)、東南アジア十カ国と中国、日本、韓国の十三カ国が集まった東アジア会議(八月)、そして十月に五十六カ国と一機構が参加して開かれたイスラム諸国会議機構(OIC)の首脳会議です。これらの三つの会議に政党で日本から出席したのは、日本共産党だけでした。
これは、日本共産党が日本の侵略戦争に反対してたたかった党であり、ソ連であれアメリカであれ、どんな大国の横暴も許さない自主独立の党であること、憲法九条を守り、非同盟・中立の日本をめざしていること、国連憲章にもとづく平和の国際秩序を守り世界の平和のためにがんばっていることなど、日本共産党の立場と路線、行動が、この間の野党外交を通じて理解されてきた結果です。
イスラムの国々の多くは、その国の歴史的な経過などから、国内では共産党を認めていません。しかし、日本共産党と実際に会って話すと、理解と交流、信頼が深まるのです。
イスラム諸国と日本共産党との友好・信頼関係の発展には、平和と進歩に向かう世界の変化があらわれています。
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