2003年10月31日(金)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は三十日夜放映のテレビ朝日系「ニュースステーション」の与野党六党首討論に出演し、「マニフェスト選挙」や道路公団民営化、イラク派兵などに関する質問に答え、議論を交わしました。
「マニフェスト選挙」をめぐって志位氏は、このやり方自体が与党と野党第一党だけの「対決」を演出するものだと批判し、そのうえで自民党が「政権公約」(小泉改革宣言)とは別に「解説自民党重点施策」と題する冊子をつくっていることを指摘。「たとえば『伊勢湾口道路』をつくる。(東京湾)アクアラインみたいな巨大な橋をかける。それから『法人税の引き下げ』と書いてある。つまり『政権公約』に書かれていないようなゼネコン・財界向けの『裏版』の『公約』があって、どうもこれで選挙をやっている。この『二重公約』というのはいただけない」と批判しました。
これに司会者の久米宏氏が「『裏マニフェスト』があるということだが」と小泉純一郎首相に水を向けると、小泉氏は「地域のいろんな声を聞いていくから。政権政党というのは予算編成まではいろんな議論がある」と言い訳。志位氏は「ここに書いてあるのは、むだな公共事業のオンパレードだ」と批判しました。
道路公団民営化問題にかかわって高速道路の無料化問題が議論に。志位氏は「税金の使い道の優先順位の問題だ。高速道路をすぐに無料化しようとすると(年間)二兆円の税金がいる。道路特定財源の一般財源化は私たちもかねてからいってきたことだ。ただ一般財源化して何に優先して使うか。年金の基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げるのに二兆七千億円いる。こういうところに使うことが優先順位としてまず必要だ」とのべました。
イラク派兵について「自衛隊に死者がでるか」との質問に志位氏は、小泉首相が「戦闘地域には送らない」といっているが、イラク駐留米軍のサンチェス司令官も「米軍のいるところが攻撃される」といっていることをあげ、「米軍のいるところが『戦闘地域』になる。その応援に自衛隊が行けば、そこが『戦闘地域』になる。これがイラクの現状であり、憲法を踏み破る派兵は中止すべきだ」と強調しました。
最後に総選挙が「政権選択選挙」といわれていることが取り上げられ、久米氏が「『政権交代』をめぐっては自民党も民主党も同じだ」とのべたのをうけ、志位氏は「やはり中身が大事だ。今度の選挙では消費税増税、憲法改悪をどうするのかが大問題だが、両党の間で対立点にならない。政権党がそういう方向で暴走を始めたら、野党はストップをかける共闘をこれまでやってきた。そういう形にならない。ここが大問題だ」と指摘しました。
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