2003年11月27日(木)「しんぶん赤旗」
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「“わずかな年金を二割も削られたら生きていけない”という切実な声に、いったいどうこたえるのか」―日本共産党の小池晃議員は二十六日の参院予算委員会で、国民に大幅な給付削減を押しつける政府の年金改悪について追及。安心できる年金制度にするため、積立金の計画的な活用などを提案しました。
厚生労働省の「改革」案は、保険料を一・五倍に引き上げる一方で、受け取る年金はどんどん減らしていくというものです。小池氏は、厚労省の試算でも最大で二割の給付削減となり、「二カ月半の年金がまるまる消えることになる」と指摘。女性受給者の年金額の平均は月約十万六千円ですが、「こうした低額の年金に対しても同じように給付の削減を強いるものだ」と批判しました。坂口力厚労相もこれを認めました。
「給付は最低でも(現役世代の所得の)50%を下回らない」という坂口厚労相の説明についても、小池氏の追及で、五割の給付が保障されるのは一部の限られた場合だけであることが明らかになりました。
小池氏は、年金積立金が厚生年金と国民年金、共済年金を合わせて二百三十六兆円にものぼることを明らかにし、「これを計画的に活用し、給付にあてるべきだ」と強調。さらに、これまで積立金を株式市場などで運用して累積で六兆円を超える損失を出していることを指摘し、「ただちにやめるべきだ」と迫りました。
小泉首相は「専門家でも株で損したり得したりするのだから、実に難しい問題だ」という無責任な答弁。今後も運用を続ける姿勢を示しました。
小池氏は、株式による運用で赤字を出しても、運用を委託されている金融機関は年間百七十六億円(〇二年度)にのぼる手数料収入を得ていることを指摘(表参照)。運用のあり方を検討する「専門家」が、厚労省から天下りした役人や金融機関の出身者で占められていることを示し、年金積立金をめぐる利権の構造にしっかりメスを入れるべきだと迫りました。
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