2005年4月1日(金)「しんぶん赤旗」
家計簿は告発する
消費税 5%でこんなに、10%は
16年間払った額に驚き
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「えっ、四カ月分近い収入が吹き飛んだ計算だわ。百円に三円、五円の消費税が積もり積もって。10%やそれ以上になったら、ぞっとするわね」。東京都八王子市に住む高橋イツ子さん(62)が支払った消費税は、この十六年間に、六十六万円に達していました。
十六年間に支払った消費税額はいくらになるのか。記者はイツ子さんと一緒に家計簿を繰りながら、毎月にかかった消費税を足し合わせました。
百九十二カ月分の消費税額の総計は六十六万二千七百十一円。計算機の表示にイツ子さんは、「えーっ、そんなに払ってきたの。うちはそんなに使わないほうだけど」と声を上げました。
夫の年金とイツ子さんの年金、視力に障害を持つイツ子さんの障害者手当、月約十七万七千円が収入のすべてです。
その年金も、二月分から夫は千円、イツ子さんは百円の減額でした。小泉内閣が実施した年金課税強化の影響でした。
イツ子さんは、視野の狭くなる難病を抱えています。結婚し独立した二人の娘に迷惑をかけたくないと、ためてきたお金も「最近は増えないのよ」と声を落とします。
「消費税の負担を実感するわ。『これ以上の負担増も、消費税増税もイヤ』と大きな声で周りの人にもいいたい」。イツ子さんは語ります。
(山田英明)
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