今回の「声」も「派遣」への怒りがいっぱいでした。ハローワークの雇用がほとんど「派遣」。派遣であるための差別的な条件。その上「いじめ」をはじめ人間の尊厳を根本から否定する卑劣な攻撃が上司や正規労働者からも。
ついに自民・公明の政権が退場し政権「交代」となりましたが、民主党政権に大きな運動で迫り派遣法改正をさせましょう。政治がこの手で「変えられる」という確信を胸に。
派遣法改正について審議する労働政策審議会では、「使用者側」から規制強化に反対する議論が巻き起こり、「職業選択の自由に反する」「企業が海外に逃げる」「派遣規制は労働者のためにならない」との主張が。公益委員も同調するかのような言動も。これらの「主張」を、みなさんの切実な「声」で押し返し一刻も早く抜本的な改正がすすむようともにがんばりましょう。
「夜勤明けの休日しかなく、約36時間の連続勤務があり あげくの果てには労働基準監督所には別の書類を提出している噂」、「雇用契約と実際の労働とはちがう」などあきらかに「違法な現実」を放置すると、雪だるま式に企業は条件を崩します。雇用保険・年金・健康保険なども使用者の義務です。粘り強く労働基準監督署に訴え改善させましょう。
「失業保険もらってるやつ」「正社員で安定してるやつ」「生活保護を受けていながら・・」などの「怒り」の声がいくつかありました。ほんとうになんともいえない腹立たしい「気持ち」は良く理解できます。問題は怒りの矛先をおたがい労働者どうしにむけさせ、分断させるのが支配者のねらいです。失業保険、つまり雇用保険を受け取るのは当然の権利で、日本では制度がおかしくあまりにも受給者が少なすぎ期間が短すぎるぐらいです。生活保護も北欧やドイツなど5%近くの人が受給しているのに、日本は1%。この差はなんでしょう。日本の方が裕福なのではなく、申請にいっても窓口で拒否されたり、制度とその利用についての知識がなく、「生存権」としての当然の権利を行使できないためです。いまの「額」でも生活するには低すぎて、その上受給している人がすくなすぎます。働いても生活保護より低いのは「生活保護」の額が高いのでなく、賃金が低すぎるのです。生活保護を「受けていながらパチンコを」など受給者への偏見をあおる報道で、権利を行使することで生活を「監視」される事態が広がれば、保護の申請を躊躇する人も。
雇用と賃金の改善は急務ですが、「今日」生きることができない人を救う制度を守り活用し改善するたたかいが緊急ですね。障害者の雇用をめぐる「声」も深刻でした。就労保障と日常生活支援の拡充の事業体系の再検討が急務です。
国民年金の保険料の督促をめぐる「声」がありましたが、国民年金保険料の全額免除制度、一部納付(免除)制度、若年者納付猶予制度などを活用や、住居を失った離職者への支援策として、職業訓練を受講する場合、月10万〜12万円を給付する制度や、2年以内の離職者に生活保護の住宅扶助費と同額の「住宅手当」を給付する制度などがあり、住宅入居費など「総合支援資金」の貸付、当面の生活費となる「臨時特例つなぎ資金」の貸付などを行なわれています。問題点もありますが活用をし、「生き抜く」ことが大切です。
■プロフィール
なかた・すすむ
1937年、京都に生まれる。関西勤労者教育協会講師。京都府立大学卒業後、大阪の中学校教諭を経て、勤労者教育に専念。労働学校、労働組合、民主団体、青年女性団体、公民館、高等学校、各種団体で講演、 政治経済情勢、哲学、「暮らしと経済」「二一世紀どう生きる」「学ぶこと、生きること」「働くこと、生きること」「自分らしく輝いて」「学ぶことは生きる道しるべ」 などをテーマに、分かりやすく語りかける。
主な著書「働くこと生きること」(学習の友社)。「自分らしさの発見」(新日本出版)。 「人間らしく自分らしく」(学習の友社)