2002年12月21日(土)「しんぶん赤旗」
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小泉内閣は二十日、同内閣として二回目の当初予算編成となる二〇〇三年度予算財務省原案を決め、各省庁に内示しました。小泉流「構造改革」路線の下、深刻な不況で苦しむ国民に、いっそうの負担と”痛み”を強いる内容です。日本共産党の筆坂秀世政策委員長は同日、経済も財政も泥沼に引き込む「小泉改革ゆきづまり予算」と批判する談話を発表しました。
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一般会計の総額は、今年度当初予算比0・7%増の八十一兆七千八百九十一億円、政策的経費である一般歳出は同0・1%増の四十七兆五千九百二十二億円です。
一般歳出を主要経費別内訳でみると、社会保障費では、健康保険の患者負担増(来年四月からのサラリーマン本人三割負担など)や物価下落を口実にした年金給付・生活保護の引き下げ、雇用保険の給付削減などを予定。これらの国民負担増・犠牲増加策で、高齢化による「自然増」を大幅に削り、社会保障費全体を同3・8%増の十八兆九千七百九十六億円に抑えています。
文教及び科学振興費は、義務教育国庫負担金の削減(一般財源化)や、私立学校への経常費補助の削減などで同4・1%減の六兆四千三百九億円に削減。中小企業対策費も同7・8%減の千七百十五億円にするなど、国民向け予算を軒並みマイナスにしています。
また、公共事業費は同3・9%減の八兆九百七十一億円としました。これは資材価格の下落程度の削減で、これまでの事業量は維持。これに施設費を加えた「公共投資」は同三千四百八億円減(同3・7%減)の八兆九千百十七億円となりました。ただ、同日閣議決定された今年度補正予算の公共投資追加分一兆五千億円を加えると、逆に一兆一千五百九十二億円の実質増加となります。
一方、歳入では不況の深刻化などにより税収が同10・7%減の四十一兆七千八百六十億円に落ち込みました。このため、国債発行は21・5%増の三十六兆四千四百五十億円と、当初予算としては過去最高になりました。国債依存度も44・6%と一九九九年度補正後予算の42・1%を上回り、過去最悪となりました。
政府は、復活折衝を経て、二十四日に政府案を決定する予定です。復活折衝での調整財源は五百億円です。
2003年度財務省原案の概要 | ||
原案額 | 伸び率、% | |
一般会計 | 81兆7891億円 | 0.7 |
一般歳出 | 47兆5922億円 | 0.1 |
税 収 | 41兆7860億円 | ▲10.7 |
国債発行額 | 36兆4450億円 | 21.5 |
財政投融資 | 23兆4115億円 | ▲12.6 |
(注)伸び率は02年度当初比、▲は減 |