2008年10月10日(金)「しんぶん赤旗」

世界金融危機

資本主義の限界指摘

国際会議で南米諸国 IMFに批判


 【メキシコ市=島田峰隆】米国発の世界金融危機が収まらないなか、南米諸国からは、先進国や国際通貨基金(IMF)への批判や資本主義の限界を指摘する声がますます強く上がり始めています。


 ベネズエラのカラカスで八日、世界二十カ国以上の経済学者や政府関係者を招いた国際会議が開幕しました。会議は同国政府が主催したもので、金融危機の原因や資本主義の限界、代案となる経済モデルなどについて十一日まで議論します。

 ベネズエラのエルトロウディ計画開発相は、会議初日の八日、「いま間違いなく、新自由主義の覇権の終わりの始まりを迎えている。資本主義は危機を解決できない」と強調しました。

 さらに「多国間機関は、資本主義の問題は何でも解決できると言って中南米に処方せんを押し付けてきた。その処方せんは今どこへいったのだ」とIMFや世界銀行を皮肉りました。

 エクアドルのパエス経済政策調整担当相は、世界経済は各国の食料やエネルギーの主権を守り、各地域の内部からの発展を重視しなければならないと強調。「今の金融危機に対処できる社会経済機構が不可欠だ」として、IMFに代わる機構の創設を提唱しました。

 同会議開幕に先立つ七日、ブラジルのルラ大統領は、リオデジャネイロ近郊での労働者集会で演説。「先進国とIMFは経済、金融で賭け事をしてきた」「ブラジルやアルゼンチンには(経済危機の時に)指図したのに、今IMFは何をしているのだ」と力を込めました。

 また北海道洞爺湖で七月に開かれた主要八カ国首脳会議(G8)で、同大統領が金融危機問題を議題に提案したにもかかわらず、受け入れられなかったことを明らかにしました。



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