2018年2月9日(金)
本村議員がリニア談合追及
衆院予算委 真相解明と工事中止を
8日の衆院予算委員会で、リニア中央新幹線をめぐる入札談合事件を取り上げた日本共産党の本村伸子議員は、巨額な公的資金を投入しながら、国の監督が不十分で、不正の温床となっている実態を浮き彫りにしました。
安倍晋三政権は同事業を“国家的プロジェクト”と位置付け、国が資金を調達して、低利で貸し付ける財政投融資を3兆円、JR東海に投入しています。不動産取得税や登録免許税を非課税にするなど多くの優遇措置を講じ、推進してきました。
独占禁止法では、談合は自由競争や国民経済の健全な発展を阻害する悪質な行為と位置付けられています。大手ゼネコン4社は2005年末に「談合決別宣言」を出しています。
本村氏は大手ゼネコンが談合を認める報道があることを挙げ、「工事をいったん中止して真実を解明するのが筋だ」と、工事実施計画を認可した石井啓一国交相に迫りました。石井国交相は「現時点で工事を中止すべき状況と認識してない」と答弁しました。
本村氏は、談合疑惑のあるリニア事業に巨額の公的資金が投じられている問題を追及。リニア事業への財政投融資の投入は16年の「骨太の方針」で盛り込まれたもので、安倍政権の主導で決められました。3兆円の財政投融資は平均0・8%の超低金利で、30年返済据え置き、その後10年で返済。JR東海の金利負担も3000億円削減される異例のものです。
本村氏は、財政投融資を貸し付ける「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」(鉄運機構)が全ての個別工事で予定価格や契約内容などを確認したか質問。鉄運機構の北村隆志理事長は、大手ゼネコンが談合を認める報道があるにもかかわらず、「必要に応じてチェックする」と従来の発言を繰り返しました。本村氏は「入札調書も含めてちゃんとチェックしていると言えない」と批判しました。
本村氏の追及に、国交省の藤井直樹鉄道局長はJR東海の職員が鉄運機構に直近の5年間で18人、現在は3人勤務していることを明らかにしました。本村氏は「チェックされるJR東海の職員がチェックする鉄運機構で働く。『手心を加えているのでは』と疑念を持たれる体制だ」と批判しました。