しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年3月1日(木)

裁量制拡大 過労死増を招く

藤野議員 提出断念求める

衆院予算委

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(写真)質問する藤野保史議員=28日、衆院予算委

 日本共産党の藤野保史議員は28日の衆院予算委員会で、裁量労働制の違法な適用例を示し、「働き方改革」一括法案で適用対象を拡大すれば、現にある違法状態が合法化されて長時間・不払い労働が増大するとして、法案提出の断念を求めました。

 藤野氏は、裁量労働制が適用されたにもかかわらず朝10時出勤を義務付けられ、残業代の付く「みなし労働時間」を超える労働を余儀なくされた事例を紹介。労働者は、“与えられた裁量内で仕事をこなせていない”として評価が落ち、降格・減給、退職勧奨されるのを恐れて実際の労働時間を申告できないと強調し、「裁量労働制と人事・報酬制度をセットにすることで、長時間・不払い労働が押し付けられている」と指摘しました。

 また、本来、対象外の営業職へ全社的に裁量労働制を適用し、残業代を支払っていなかったことで東京労働局長から特別指導を受けた野村不動産の事案を例示。行政へ正規に届け出ていないにもかかわらず、労働者には“裁量労働制だ”と吹聴し、残業代を支払わない事例も横行しているとして、「水面下で制度が乱用されている実態を把握すべきだ」と迫りました。

 加藤勝信厚生労働相は、企画業務型の裁量労働制を採用している3000事業所に自主点検を促していると述べ、安倍晋三首相は「実態を把握する必要がある」と答えたものの、実態把握に水面下の乱用例まで含める考えは示しませんでした。

 藤野氏は、「働き方改革」一括法案で対象を営業職まで広げれば、野村不動産や水面下での乱用のような違法な未払い残業が合法化され、「経営者は労働者の実労働時間を管理しなくなり、さらなる長時間労働を生む要因になる」と警告。「まじめで責任感が強い人を死に追いやる危険な働き方」だという「全国過労死を考える家族の会」の寺西笑子代表世話人の訴えを示し、「裁量労働制の対象拡大は、労働者が過労死・過労自死に追い込まれる状況をさらに悪化させる」と批判しました。


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