2018年3月1日(木)
裁量労働
労働者に直接聞き取れ
野党、対厚労省ヒアリング
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日本共産党、立憲民主党、民進党、希望の党、自由党、社民党の6野党の議員らは28日も、「働き方改革」一括法案に盛り込まれる裁量労働制の拡大問題を厚生労働省にただす「合同ヒアリング(聞き取り調査)」を引き続き行いました。
野党側は、同省の「労働時間等総合実態調査」で裁量労働制の労働者の「実労働時間」が4時間以下の極端に短いデータが52件に上り、1時間以下が25件もあるのは、「みなし労働時間」を超えた残業時間を誤って記入した可能性があると指摘。「手元にある情報」では1時間以下の極端に短い例は「確認されていない」と認めた同省に対し、調査票の原票を直ちに開示せよと要求しました。同省担当者は「データ全体を精査してから報告する」として、開示を拒否しました。
野党議員らは、労働者の議員がいない政府の産業競争力会議で、財界議員が「働き方改革」に“残業代ゼロ”の「高度プロフェッショナル制度」「裁量労働制」を盛り込ませたと強調。第1次政権で同様の「ホワイトカラー・エグゼンプション」導入に失敗した安倍晋三首相が、「リベンジ」(雪辱)を果たそうと今国会で強行を狙うのが裁量労働制拡大であり、首相にこそ責任があると指摘しました。
また、安倍首相が国会答弁で裁量労働制拡大を正当化するさい、行政官庁が労使委員会委員に「適正な労働条件」確保の指針に関して「必要な助言及び指導」を行えるとする法案要綱を根拠にしていますが、同省側の説明で、「助言」「指導」に強制力がないことも浮き彫りになりました。
野党側は、同省が裁量労働のもとでの労働時間について労働者への直接聞き取り調査を行い、政府に法案提出の断念を迫るデータを示す以外に“汚名”は返上できないとただしましたが、回答はありませんでした。