2018年3月7日(水)
日銀の独立性に疑義
大門氏 黒田総裁候補ただす
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参院議院運営委員会は6日、国会同意人事案件で政府が再任案を示している黒田東彦日銀総裁候補(現総裁)の所信を聴取し、各党が質疑を行いました。
黒田氏は「物価上昇率2%の目標は実現できておらず、かなり距離がある」とし、「金融緩和を中止、弱めることは考えられない。目標実現まで金融緩和を続けていく」と表明しました。
日本共産党の大門実紀史議員は、日銀の政治からの独立性について質問。人事案で提案された今回の総裁、副総裁候補が、安倍政権が引き続き進めようとする金融緩和政策を積極的に進める人物になっていることについて「いくら日銀法に独立性が書かれていても、人事によって政権の思うように金融政策も左右されかねない」と指摘しました。
黒田氏は「金融政策の独立性は維持されている」としつつ、「総裁、副総裁の任命は政府が行っている」と答えました。
大門氏は「2%の物価上昇目標に根拠はない。そもそもデフレ(持続的な物価下落)の原因は、金融政策ではなく賃金の低下にある」と述べ、これに対し黒田氏は「物価だけ上がればいいのではない」「賃金上昇が非常に重要なファクター(要因)」との認識を示しました。
また大門氏は、450兆円もの国債を日銀が保有するようになった事態を批判。「正常化への道筋」を示すべきだと迫ったのに対し、黒田氏は「いま具体的に議論するのは早いが、適切な時期に出口を示すことが必要だ」と述べるにとどめました。