2018年3月17日(土)
ワタミ創業者 一部謝罪
過労死遺族に「働くの悪いことか」
公聴会での発言
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「働き方改革」をめぐる参院予算委中央公聴会(13日)で、自民党の渡辺美樹議員が“働くのは悪いことか”などと発言したことについて、「東京過労死を考える家族の会」の過労死遺族らは16日、国会内で渡辺氏に面会し、抗議しました。渡辺氏は一部発言について謝罪しました。渡辺氏は、2008年に女性社員が過労自殺した居酒屋チェーン「和民」を展開するワタミの創業者。
公聴会で渡辺氏は「国会の議論を聞いていると、働くということが悪いことのようだ」「週休7日が人間にとって幸せなのか」「国を挙げて“働くな、働くな”というようではいけない」などと発言。公述人として出席していた同家族の会代表で、過労自殺遺族の中原のり子氏に労働観を聞くなどしました。
中原氏は、面会に先立つ記者会見で「渡辺氏がこの問題で質問に立ったこと自体、想定外で驚いた。同氏の質問は理解を超えるものだった」と批判しました。
NHK記者だった娘を過労死で亡くし、公聴会に随行人として参加した佐戸恵美子氏は「『週休7日が人間にとって幸せなのか』と遺族に満面の笑みで聞いた(渡辺氏の)顔は忘れられない」と怒りをあらわにし、「それを言わせた自民党の考えを聞きたい」と述べました。
渡辺氏との面会後、中原氏は、記者団に面会の様子について語りました。渡辺氏は「働くということが悪いことのようだ」「週休7日が人間にとって幸せなのか」という二つの発言を謝罪。遺族らが求めた発言の撤回と削除については、党の判断になるとして保留したといいます。
また渡辺氏が13日に質疑に立ったのは、自民党の予算委理事の指名だったと話したといいます。