2018年3月29日(木)
司法取引 危険に警鐘
藤野氏 「対象120は共謀罪も」
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日本共産党の藤野保史議員は23日の衆院法務委員会で、容疑者や被告が共犯者の犯罪事実を明らかにすることを見返りに減刑などを認める「司法取引制度」(6月1日施行)について、捜査機関による乱用・人権侵害の危険性を高めるものだと追及しました。
藤野氏は、虚偽の供述で「共犯者」にされ、無関係の第三者が巻き込まれる恐れがあると指摘。同省が検事長らへの通達(3月19日付)で、司法取引を合意する際に「裏付け証拠」を求めたことに関し、「客観的な証拠に限られるのか」とただしました。
辻裕教刑事局長は「必ずしも限られない」と答弁し、供述も含むことを認めました。藤野氏は「供述自体が信用に欠ける。司法取引では“自分の罪を軽くしてもらう”というバイアス(偏り)が普通の供述以上にかかる」と述べ、第三者が巻き込まれる危険を告発しました。
藤野氏は、司法取引の対象犯罪のうち、実際の犯罪行為がなくても「計画」段階で処罰する共謀罪の対象でもある犯罪が120にのぼると指摘。警察が「通常業務の一環」として市民を監視し、反省もしていないとして、「120の犯罪で警察は共謀罪と司法取引のいずれも使えることになる。乱用防止の仕組みは極めて不十分で、人権侵害の危険性が非常に高い」と警鐘を鳴らしました。