2018年3月31日(土)
記者過労死 NHKは環境改善を
山下氏“教訓化できてない”
参院総務委
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日本共産党の山下芳生議員は29日の参院総務委員会で、NHK記者の過労死事件を取り上げ、労働環境改善と再発防止をNHKに求めました。
2014年7月に過労死した佐戸未和さん=当時(31)=は、「事業外みなし労働時間制」のもと、亡くなる2カ月前に188時間と209時間の時間外労働をしていました。
山下氏は「一人一人が携帯端末を持つ時代、外で働いているから労働時間を把握できないというのは現代社会ではありえない」と指摘。事業外みなし労働時間制の適用がふさわしくない場合の対応について、厚労省の土屋喜久審議官は、「通常労働時間制が適用され、三六協定をこえての時間外労働をさせていた場合や、割増賃金を支払っていなかった場合は法違反となり、是正指導している」とのべました。
山下氏が、「佐戸さんが亡くなった時点で、どのような三六労使協定が結ばれていたのか」とただすと、NHKの根本佳則理事は、「時間外労働時間の上限は2カ月で100時間以内、特別条項でさらに100時間以内」だと回答。山下氏は、「つまり、2カ月で200時間までだ。佐戸さんは通常であれば労基法違反になる」と指摘。NHKが昨年4月から実施した専門業務型裁量労働制での健康確保措置を佐戸さんに当てはめても、産業医への面談は「推奨」にとどまることをあげ、「NHKは佐戸さんの過労死を本当に教訓としていない」と改善を強く求めました。