しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年4月1日(日)

18年度予算案に対する仁比議員の反対討論

参院本会議

 日本共産党の仁比聡平議員が28日の参院本会議で行った2018年度予算案(同日成立)などに対する反対討論の要旨は次の通りです。


 国民の怒りと野党6党の結束した追及の中、政府は森友学園に国有地を異例の条件で貸し付け、ただ同然で売り払うことを決めた決裁文書を改ざんしていた事実を認めざるを得なくなりました。国民主権と議会制民主主義を踏みにじる歴史的犯罪で、内閣総辞職に値すると言うべきです。

 証人喚問(27日)で佐川宣寿前理財局長は訴追可能性を盾に、改ざんへの自らの関与は全く語らず、総理や夫人、官邸の指示や影響はなかったと定かな根拠も示さず断言し続ける。佐川証言には根本的矛盾があります。

 驚くべきことに佐川氏は、決裁文書と正反対の国会答弁とその理由についても証言を拒絶しました。幕引きどころか、いよいよ疑惑は深まったと言うべきです。国政調査権を徹底して行使し、昭恵夫人ら関係者の証人喚問で真相を明らかにしようではありませんか。

 この問題の根本には、安倍政権による5年に及ぶ強権政治と民主主義との避け難い矛盾があります。

 加計学園問題で渦中の人となった前川(喜平)文科前事務次官の講演について、文科省が名古屋市教育委員会に行った異常な調査は、憲法が禁ずる教育への国家権力による不当な介入にほかなりません。そこへの自民党議員の関与は、盾突く者は容赦なく攻撃する安倍政権の異様な体質の表れと言うべきです。

 働かせ放題大改悪法案をめぐって、ずさんな調査に基づくデータをさらに捏造(ねつぞう)し、裁量労働制の方が一般労働者より労働時間が短いとごまかそうとした安倍政権の責任は重大です。政府は過労死と長時間労働を広げる「働き方改革」一括法案の提出をきっぱり断念すべきです。

 アベノミクスの5年間で大企業や富裕層の利益が大きく増える一方、実質賃金は年16万円も低下、家計消費は22万円も落ち込みました。国民の暮らしと地域経済は一層深刻の度合いを増しています。

 ところが本予算案は、さらに大企業に減税し、中間層を含むサラリーマンに増税を押し付けるものです。社会保障関係費自然増の1300億円削減でさらなる給付減と負担増を招こうとしています。高速道路に1・5兆円もの財投資金を14年ぶりに投入し、国際コンテナ戦略港湾などの新規大型開発事業を優先し、リニア中央新幹線建設を推し進めながら、文教予算は4年連続削減、中小企業・農業予算も連続削減です。この上、来年10月に消費税の10%への増税を強行し、さらに格差を広げることは許されません。

 原発再稼働や破綻した核燃料サイクルを推進するのも重大です。原発即時ゼロの政治決断、野党共同提出の原発ゼロ法案の成立を強く求めます。

 さらに際限のない大軍拡に踏み込んでいます。安倍政権のもと軍事費は4年連続で過去最高を更新し5兆1911億円、イージス・アショア関連経費やオスプレイ、F35ステルス戦闘機調達など、有償軍事援助=FMSによる米国からの兵器調達は4102億円に上り、後年度負担は5兆768億円に膨れ上がっています。長距離巡航ミサイル導入や「いずも」の空母への改修は、政府も憲法上認められないとしてきた敵基地攻撃能力保有に踏み出すものです。

 相次ぐ米軍機事故――米軍言いなりの政府の姿勢こそが子どもたち、住民の命を脅かす屈辱的な事態をもたらしています。辺野古新基地建設中止、普天間基地即時閉鎖・撤去、日米地位協定の抜本的改定を強く求めます。

 国民の怒りに土台を揺さぶられながら、自民党大会でもなお改憲への意欲を示す安倍総理の姿勢はあまりにも異常です。日本共産党は、安倍政治を終わらせ、憲法が生きる政治を切り開く市民と野党の共同の発展を心から呼びかけ、全力を尽くす決意です。


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