2018年4月4日(水)
TPP11 「既存」枠を活用
日米経済協定で紙議員追及 参院農水委
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日本共産党の紙智子議員は3日の参院農林水産委員会で、日本の農産物市場のさらなる開放に向けて日米両政府が狙う「高い基準」の経済協定についてただしました。農産物の関税撤廃など日本の経済主権を売り渡す環太平洋連携協定(TPP)の枠組みが、米国を除く11カ国による「TPP11」でも活用されると追及。TPP11は第1条で、同協定にTPPの規定が「組み込まれ」ると明記しています。
紙氏は、昨年2月の日米首脳会談の共同声明で、両国がアジア太平洋地域で「高い基準の経済協定の促進」をめざし、日本が「既存のイニシアチブ(主導権)を基礎」に取り組むと確認したことに言及。米国の離脱で未発効のTPPを含むのかとただしました。
外務省の飯田圭哉審議官は「『既存のイニシアチブ』にTPPは含まれる」と答弁。紙氏は「日米首脳会談の合意を得て、TPP11をつくることが可能になっている」と指摘しました。
さらに同会談で合意した「2国間の枠組み」に関する議論をめぐり、斎藤健農水相は「日米経済対話では、貿易・投資に関する両国の関心事項について、農業分野を含めて議論を行っている」と述べ、農産物市場の開放に道を開く危険性を示唆しました。
紙氏は、TPP11による農林水産物の生産減少額を最大1500億円とした農水省の影響試算について、「TPPと同様、TPP11の試算も『政府の説明は根拠が不明確』との批判がある」と指摘。斎藤氏は、「国内対策」の実施を前提とし、TPPの際の算定方法を「踏襲している」と答弁。紙氏は「現場は“対策をとるから影響はない”などと楽観していない。試算を出し直すべきだ」と求めました。