しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年4月6日(金)

「働き方」法案 提案者の資格なし

倉林氏「実態把握せず」

参院厚労委

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(写真)質問する倉林明子議員=5日、参院厚労委

 日本共産党の倉林明子議員は5日の参院厚生労働委員会で、勝田智明東京労働局長のメディアどう喝発言や、裁量労働制の適用事業所・労働者数の公表遅延についてただしました。

 勝田局長が野村不動産への特別指導の経緯について記者から質問を受けている最中、「何なら、みなさんの会社に行って、是正勧告してもいいんだけど」と述べたことに対して、倉林氏は「労働基準監督官には、労基法に関する警察の役割がある。その組織のトップが、権限を振りかざしたどう喝にほかならない」と批判しました。

 倉林氏は、野村不動産の過労死の事実を伏せながら行った特別指導が、裁量労働制拡大のための恣意(しい)的なものではないかという疑惑が残っていると指摘。加藤厚労相は、「過労死は、遺族や代理人弁護士が公表した場合に、その範囲内で追認するだけにしている」と述べ、過労死をいつ知ったかも答えませんでした。

 倉林氏は、「前例のない特別指導、企業名公表まで東京労働局だけの判断でできるとは考えられない」として、勝田局長を参考人として委員会に出席させるよう求めました。

 厚労省は、裁量労働制のデータ捏造(ねつぞう)問題で「働き方改革」一括法案から裁量労働制拡大の削除をした後の3月5日、初めて企画業務型裁量労働制の適用事業所・労働者の数を公表しました。

 倉林氏は、「昨年6月に公表を求められ、なぜここまで遅れたのか」と追及。加藤厚労相は労働行政の電子化の遅れなどで集計に時間がかかったと言い訳しました。

 倉林氏は、「データ捏造だけでなく、実態さえ把握しないまま裁量労働制を拡大しようとしていた。法案提案の資格が問われる。高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)をはじめ一括法案は撤回すべきだ」と強調しました。


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