2018年4月14日(土)
野村不「指導」形だけ
高橋氏 黒塗り部分開示求める
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日本共産党の高橋千鶴子議員は13日の衆院厚生労働委員会の質問で、野村不動産への裁量労働制違法適用の「特別指導」が、会社からの改善報告の手続きも決められていない形だけのものだったことを明らかにし、黒塗りの報告書から過労自殺につながった違法な長時間労働に関わる部分を開示するよう要求しました。高橋氏は、政府の公表通達にもとづく企業トップに対する労働局長の指導では、「指導書」を交付するのに、「なぜ今回の特別指導では口頭だけなのか、改善結果はどうやって確かめるのか」とただしました。
山越敬一労働基準局長は、「特別の事案ですので、どういうふうにというのは控える」「何らかの形で報告していただくものだと思っている」などあいまいな答弁に終始し、何度も審議が止まりました。
加藤勝信厚労相は、「東京労働局長がいつまでにどのように報告してくれと(言ったとは)承知していないが、個々の監督署で是正指導されている」と答弁。高橋氏は、「何のための特別指導か」と批判しました。
高橋氏は、東京労働局の記者会見資料には野村不動産で違法な時間外労働が認められたとしており、同社ホームページでも残業時間を決めた「三六協定」を超えたと認めていると指摘。「同社の特別協定にある残業月80時間を超えていたのではないか」と質問しました。
加藤厚労相は、「違法な労働時間とは、三六協定で決められた時間より長かった」と認めながら、特別指導は公表通達と別枠だと述べました。
高橋氏は、「(特別指導は)長時間労働隠しに他ならない」と強調。「公表に同意した遺族の気持ちにどう応えるのか」と批判しました。