しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

2018年4月19日(木)

非核化と平和体制への展望

特派員協会 志位委員長、縦横に語る

写真

(写真)日本外国特派員協会で講演する志位和夫委員長(中央)=18日、東京・有楽町

 日本共産党の志位和夫委員長は18日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見し、北朝鮮の核・ミサイル問題の解決に向け関係6カ国にあてた党の要請文「非核化と平和体制構築を一体的、段階的に」の中心点について語りました。17日(日本時間18日)始まった日米首脳会談に続き、今後、南北首脳会談、米朝首脳会談が予定されるなか関心が高く、「今後の対話と交渉が成功する可能性は」など記者から質問が相次ぎました。

 要請文の中心は、(1)朝鮮半島の非核化と、北東アジア地域の平和体制の構築を一体的・包括的に進める、(2)実行方法としては、「行動対行動」=合意できる措置を話し合って一つずつ段階的に実施して目標に近づいていく―という二つです。

 志位氏は、17日の日米首脳会談の冒頭の発言でトランプ米大統領が「韓国が北朝鮮と会談し、戦争が終結できるかどうかを議題とする。こうした交渉について私は支持している」と言明したことについて、「南北首脳会談が、朝鮮半島の非核化だけでなく、朝鮮戦争の終結――平和体制の構築を議題として開かれようとしていること、このことをトランプ大統領が支持していることは大変重要であり、注目している」と強調しました。

 「非核化」と「平和体制構築」を一体的・包括的に進める必要性を強調したなかで志位氏は、北朝鮮問題の対応の最前線を担ったウィリアム・ペリー元米国防長官が「米朝交渉の過去の成功と失敗からどんな教訓が得られるか」として、「私が学んだ教訓で最も大事なのは、なぜ北朝鮮が核開発をするかを理解することだ。われわれが『抑止力』と呼ぶように、北朝鮮も自らの安全の保証を得ようとしている。北朝鮮にとって経済は重要で、改善させたいと思っているが、そのために彼らは安全保障を失う交渉はしない」(11日の東京都内での講演)と発言していることに真剣に耳を傾ける必要があると強調しました。

 志位氏は要請文について、すでに在日大使館などを通じて届け、北朝鮮にはジュネーブの代表部に送ったと述べました。また北東アジアの重要な国の一つであるモンゴル、東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国のシンガポールと、ベトナムの政府にも大使と面会し届けたことを明らかにしました。

 志位氏は、対話否定・圧力一辺倒できた安倍外交は大きな破たんに直面していると指摘。「日本政府には、これまでの方針の転換と、いま起こっている対話による平和的解決への積極的コミット(関与)が求められている」と提起しました。

 質疑では、今後の南北、米朝首脳会談の見通しなどについて質問が出されました。志位氏は「南北首脳会談は成功するという期待を持っていいのではないいか」と答え、一連の首脳会談の動きは、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が非核化と平和を訴えた昨年9月の国連での演説が起点となっていると指摘。「南北首脳会談は双方によって周到に準備されている。冒頭に紹介したトランプ氏の発言に照らしても成功するという期待を持っていいのではないか」と語りました。

 さらに、「米朝首脳会談については予断をもって言えません。しかし、会談を成功させようという動機が双方に存在していることは確かです。成果をあげることを期待したい」と語りました。

 同時に、志位氏は、「かりに一連の首脳会談で、包括的な目標で合意したとしても、それを具体化・実行していくプロセスは、時間のかかる困難なプロセスとなるだろう。これまでの教訓を踏まえた関係国と国際社会の冷静で粘り強い努力が必要になると思います」と述べました。


pageup