しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

2018年4月23日(月)

基地優先のサンゴ移植

名護でシンポ 専門家ら批判

写真

(写真)新基地建設をめぐるサンゴの移植問題で開かれたシンポジウム=21日夜、沖縄県名護市

 沖縄防衛局は、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を進めるため、防衛省が設置した環境監視等委員会の助言にもとづいて埋め立て海域に生息するサンゴの移植を進めようとしています。ヘリ基地反対協議会は21日夜、この問題でサンゴの専門家である東京経済大学の大久保奈弥准教授を招いて名護市でシンポジウムを開きました。

 沖縄防衛局は「今後の工事の進捗(しんちょく)状況を踏まえると、移植をしなければ今夏にも工事による影響が生じかねないこと、産卵期や高水温期となる5月以降10月ごろまでをできるだけ避けることが適切であることからすると、できるだけ4月末ごろまでには移植することが適当」として、工事ありきの立場です。

 大久保准教授は、水温の高い時期、繁殖の時期を避けるべきだとの自身の論文が移植の根拠とされていることを強く批判。「今の時期の移植はだめ。防衛省は論文を曲解している。(サンゴが産卵する前の)『臨月』も繁殖時期。移植してストレスを与えてはいけない」と指摘しました。

 また、食害にあったオキナワハマサンゴについて防衛局は回復しているとしていますが、防衛局が示しているデータに疑問を呈し、県は移植許可を出すべきでないと指摘しました。

 日本自然保護協会の安部真理子さんは、海草藻場の造成も成功していないと発言。ライターの浦島悦子さんが、暮らしと文化を守る立場から新基地反対を呼びかけました。


pageup