2018年5月10日(木)
野村不動産 過労自殺
「特別指導」まで労災認定延期
「通常2週間」が3カ月も
野村不動産の過労自殺の労災認定方針が昨年10月につくられていながら、その3カ月後に東京労働局長が同社を「特別指導」した翌日まで労災の決定が引き延ばされていたことが、9日の衆院厚生労働委員会で問題になりました。野党側は、過労自殺を隠して「特別指導」を安倍政権の実績とするために取られた措置ではないかと追及しました。
労災認定では、労働基準監督署の担当者が認定案の「調査復命書」を作成し、通常は長くても2週間程度で労災認定されます。
「朝日」9日付によると、野村不動産の過労自殺では昨年10月3日付で復命書が作成されていました。しかし、労災決定は、12月25日に裁量労働制違法適用への「特別指導」が行われた翌日の12月26日まで異例の3カ月を要しました。
この復命書の作成後の11月17日~12月22日に3回、加藤勝信厚労相へ「特別指導」の事前報告が行われていました。加藤厚労相や安倍首相が過労自殺を知りながら、「特別指導」を実績として誇示した疑惑が深まりました。
この日の委員会に、新宿労基署で昨年12月に過労自殺認定された10月作成と12月作成の復命書2件が資料提出されました。10月作成の復命書が野村不動産の案件かとの野党議員の質問に加藤氏は答えず、「復命から(労災認定を)局で決めるまで、どれくらい間隔があったか調べて報告する」と述べました。